2018年9月20日(木)

中国、アフリカに6兆6000億円支援 対米けん制へ
首脳級フォーラムで習近平国家主席が表明

中国・台湾
中東・アフリカ
2018/9/3 17:36
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 【北京=永井央紀】中国とアフリカ諸国の首脳が一堂に会する「中国アフリカ協力フォーラム」が3日、北京で開幕した。アフリカへの影響力拡大を狙う習近平(シー・ジンピン)国家主席は開幕演説で600億ドル(約6兆6千億円)の経済協力を表明した。米国との貿易戦争が泥沼化するなか、国の数の多さから国際社会で一大勢力を築くアフリカ諸国を「天然の同盟軍」と位置づけて対抗する思惑がのぞく。

 フォーラムは2000年に発足し、3年おきに閣僚級や首脳級の会合を開催。今回はアフリカから53カ国の首脳や高官が出席した。習氏は今後3年間の協力を推進するため、中国政府の援助や金融機関の投融資などで計600億ドルを資金拠出すると表明した。内訳は無償資金協力や無利子融資で150億ドル、中国企業の100億ドル以上の対アフリカ投資の推進など。

 習氏は15年の前回フォーラムでも同額の経済協力を打ち出した。3日の演説では「(3年前に)約束した600億ドルはすでに拠出したか実行の手配を済ませた」と説明。約束の遂行を強調した。

 米国との貿易戦争をめぐっては「中国は多角的な貿易体制を断固守り、保護主義に反対する」とけん制。「中国の発展の急行列車への乗車を歓迎する」と述べ、自身が主導する広域経済圏構想「一帯一路」にアフリカ諸国の参加を求めた。「アフリカ投資にはいかなる政治的条件もない」とも述べ、人権問題などを重視する欧米諸国とは異なる経済協力だと訴えた。

 中国は米国との貿易戦争を機に、ほかの国々との関係強化を急ぐ。18年はすでにラテンアメリカやアラブの諸国とそれぞれ閣僚級会合を開いた。アフリカとの首脳級会合もその延長線上にある。王毅国務委員兼外相は共産党機関紙で「世界情勢がどう変わろうとも中国とアフリカは志を同じくする天然の同盟軍だ」と連携強化を呼びかけた。

 台湾へのけん制ものぞく。今回のフォーラムにはアフリカ54カ国のなかで唯一、台湾と外交関係があり中国と国交がないエスワティニ(旧スワジランド)だけが参加しなかった。習氏は演説の冒頭で、この3年間に中国と国交を回復したブルキナファソなど3カ国の名前をあげ「新メンバーを拍手で歓迎しよう」と呼びかけた。中国と国交を結ぶことによる経済的利益を見せつけた格好だ。

 一部に独裁的な体制の国があるアフリカ側には内政問題に干渉しない中国式の経済協力を歓迎する向きがある。一方、中国企業が恩恵を受けやすい協力方式や中国に対して多額の債務を負うことへの警戒もある。習氏は信頼醸成のため、8月30日からすでに計30カ国以上のアフリカ諸国首脳との会談をこなした。

 同フォーラムは4日に閉幕し、共同文書「北京宣言」や今後3年間の協力を示す「行動計画」を採択する。その後に習氏と南アフリカのラマポーザ大統領の共同記者発表を予定している。

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