2018年12月17日(月)

4~6月設備投資2桁増 大企業がけん引
貿易戦争で鈍化も

2018/9/3 13:57
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企業が過去最高水準の利益を設備投資に振り向けている。財務省が3日発表した4~6月期の法人企業統計は設備投資額が前年同期に比べて12.8%増。伸び幅はリーマン・ショック前の2007年1~3月期(13.6%)以来、およそ11年ぶりの大きさだ。自動車向けや大企業の伸びが目立つが、今後は米国発の貿易摩擦の広がりで投資意欲が鈍る可能性がある。

全産業の4~6月期の設備投資額は10兆6613億円だった。資本金10億円以上の大企業の投資が活発で、前年同期比で23.5%増となった。

全体の伸びをけん引しているのは自動車向けだ。4~6月期の設備投資を製造業でみると、前年同期比で19.8%増と伸び率は約7年ぶりの大きさになっている。自動車関連会社が能力増強に向けた設備投資や研究開発費の投資を活発にしたほか、化学業界では電気自動車(EV)向け電池素材などの生産能力を増強する動きが出ている。自動車にも多く搭載されるようになった半導体や半導体製造装置の能力増強投資も活発だ。

原資となる経常利益は世界的な景気回復を受けて伸びている。18年4~6月期の経常利益は全産業で26兆4011億円と過去最高。製造業も過去最高を更新した。

4~6月期の設備投資は非製造業でも伸びた。主要駅周辺の再開発投資などが伸び、9.2%増となった。卸売業や小売業なども新規出店や改装への投資が活発だ。サービス業も投資を積極化している。

第一生命経済研究所の新家義貴氏は「五輪需要や訪日外国人の増加に伴う投資需要も投資を活発にさせている」と分析。伸び率は鈍る可能性があるが、投資の大きな落ち込みはないとみる。

製造業のけん引役をみると外需主導が色濃くにじむだけに、先行きは米中貿易戦争など米による追加関税の影響に対する不安が広がる。8月31日に発表があった7月の鉱工業生産指数では自動車を含む輸送機械工業の生産が前月比4.2%減となった。6月の機械受注統計では、自動車・同付属品が前月比で2.1%減。米国が各国に自動車への追加関税を発動すれば投資は一気に冷え込む。

法人企業統計の設備投資は会計に計上する時を捉えるため、機械の投資額などは実際に稼働する前後が多い。財務省によると「機械統計よりやや遅れる」といい、法人企業統計の設備投資も伸びが鈍化する可能性がある。(中村結)

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