2018年12月20日(木)

米国人の蔵人、酒造りに奮闘 岐阜・飛騨

2018/9/3 11:13
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岐阜県飛騨市の老舗「渡辺酒造店」で米国人の蔵人、ダリル・コディー・ブレイルズフォードさん(46)が酒造りに奮闘している。異国での厳しい修業に、約130キロあった体重は約100キロに減少。それでも魅了された飛騨の日本酒を世界に広めたいと自ら仕込んだ酒を海外で売り出した。10年以上たった現在、店に欠かせない存在になっている。

米国人の蔵人、コディーさん(岐阜県飛騨市の渡辺酒造店)=共同

テキサス州でスポーツ選手のトレーナーとして働いていたコディーさんは、同県高山市出身の日本人女性との結婚を機に2006年、同市に移り住んだ。蔵人を募集する同店の広告を目にしたのが転機に。日本酒は苦手だったが、妻の父に薦められ、みずみずしさに驚いたのが同店の純米大吟醸だ。「あの感動を思い出し、何かの縁だと思った」。通訳を介し情熱を訴え同年10月に入社した。

日本酒の造り方も知らず、新潟県の酒造店が舞台の漫画「夏子の酒」を読み込んだ。朝5時から冷水で大量の酒米を洗い、高温の部屋で蒸す日々。岩手県花巻市の杜氏(とうじ)による方言なまりの指導は聞き取るのも苦労し、酒米の扱いで怒鳴られることも。「キレがある」など味の表現を理解するのにも時間がかかった。だが「伝統的な仕事に携わるのは幸せ」と辞めようとは思わなかった。

渡辺酒造の日本酒は当時欧米では販売していなかった。「自分が仕込んだ日本酒を母国に届けたい」と15年に外国人向けの酒造りを提案。欧米料理に合う味わいを杜氏と相談、取引業者と交渉しラベルも考えた。

16年2月、自らの名を冠した酒が完成。フルーティーな味わいの「Cody's Sake Junmai Daiginjo」は、ハワイで同年開かれた全米日本酒歓評会で金賞に。現在、米国や英国で販売されている。

同店ではコディーさんの酒を皮切りに海外への販路を拡大中だ。渡辺隆専務(44)は「海外へ日本酒を普及させる上でコディーの意見は大きな武器」と期待を寄せる。

今や後輩に頼られる立場となったコディーさん。「いずれは杜氏になりたい」とさらなる高みを目指している。〔共同〕

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