海や湖を渡るクマ、交尾相手や生活場所探し?

2018/9/1 11:22
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クマが海や湖などを泳ぐケースが各地で確認されている。北海道・利尻島では106年ぶりにヒグマの上陸が確認された。普段は陸上で生活するクマが、なぜわざわざ泳ぐのか。専門家は交尾相手や新しい生活場所の探求などを指摘。記録的猛暑を理由とする説も上がった。

北海道根室市と別海町にまたがる風蓮湖を泳ぐヒグマ(8月14日、浜屋ルミ子さん提供)=共同

「15分ぐらい泳いでいたかな。犬かきみたいにして800メートルぐらい」。北海道根室市の道の駅で働く浜屋ルミ子さん(52)は8月14日午前9時すぎ、目の前に広がる風蓮湖を泳ぐヒグマを目撃した。

同僚から「クマが泳いでるよ」と言われて双眼鏡をのぞき込むと、頭を水上に出してゆっくりと湖を横切るクマの姿が。夢中で撮影していると、対岸の砂州に上陸して消えていった。「2000年に道の駅がオープンしてからここで働いているけど、泳ぐクマを見たのは初めて」と驚く。

ヒグマが生息しないとされた利尻島でも5月末に足跡が見つかり、その後、無人カメラが林道を歩くクマの姿を捉えた。対岸からは約20キロ。1912年に海で泳ぐヒグマを捕獲した記録があり、出没は106年ぶりだ。

道立総合研究機構の間野勉部長によると、ホッキョクグマが100キロ以上泳いだという研究があり、ヒグマも数十キロ泳ぐことが可能。「交尾期のクマが雌を求めて泳いだのでは」と推測する。

宮城県気仙沼市の大島は対岸から数百メートル離れ、ツキノワグマが生息しないとされてきたが、県警気仙沼署や市によると、5月に初めてクマが目撃された。その後、6月と7月に地元漁師らが島の岩場に上陸するクマを発見。本土に戻る様子も確認されているといい、署の担当者は「頻繁に行き来しているかもしれない」と話す。

「日本クマネットワーク」代表で石川県立大の大井徹教授(動物生態学)は「クマが泳ぐのは専門家の間では常識。親離れした若いクマが競争を避け、新しい生活場所を求めていた可能性もある」と分析。暑さをしのぐために水に入ることもあるといい「今年は特に暑いから体を冷やすために泳いでいるのかもしれない」と話した。〔共同〕

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