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NAFTA、米・カナダ合意できず 5日再協議

(更新)

【ワシントン=河浪武史】米国とカナダによる北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉は、期限とした31日の協議も合意できずに終了した。カナダのフリーランド外相は「合意は手の届く範囲だ」と述べ、両国は9月5日に再協議すると決めた。ただ、両国の交渉が一段と遅れれば、カナダが一時的にNAFTAの自由貿易圏から脱落するリスクもある。

8月31日を合意期限としてきたトランプ米大統領は同日、米議会にメキシコとの2国間FTAを先行して署名すると通知した。通知文には「カナダも適切な時期に加わる可能性がある」と盛り込み、引き続き3カ国での合意を模索する考えもにじませた。

カナダのフリーランド外相は協議終了後に記者会見して「合意にむけて柔軟に対応するが、カナダ国民のためになる協定が必要だ」と主張した。米通商代表部(USTR)のライトハイザー代表も「協議は進展しており、合意に向けて作業を継続する」と表明した。

NAFTA再交渉は8月27日に米国とメキシコが先行合意し、自動車関税をゼロにする条件として域内での部品調達比率を75%以上に引き上げることなどを決めた。米国とカナダは28日から2国間協議を再開。自動車分野ではおおむね折り合ったものの、カナダの乳製品の関税制度や貿易紛争の解決制度を巡って激しく対立。トランプ氏が求めていた31日の期限までに合意できなかった。

トランプ米大統領は8月31日、カナダとの合意が持ち越しになったため、3カ国のNAFTAではなくメキシコとの2国間FTAに署名する意向を議会に通知した。米大統領が通商協定に署名するには、関連法で90日前に議会に通知するよう定めている。メキシコは12月1日に政権交代があるため、トランプ氏は11月末までにメキシコ現政権と新協定に署名すると主張。その議会通知の期限が8月31日だった。

米国とカナダは9月中の早期に大筋合意に達する必要がある。米貿易関連法では、米大統領が通商協定に署名する際に、60日前までに協定の全内容を公表するよう求めている。11月末までに3カ国がNAFTA改定に署名するには、米国、メキシコ、カナダの3カ国で細かい条文などの詳細を9月中に全て決める必要がある。

カナダは2019年に総選挙を控えており、政治的な妥協の余地は乏しい。カナダが早期に合意できなければ、トランプ米大統領はメキシコとのFTAを先行発効させ、同時に現行NAFTAを失効させる考えも表明している。カナダはNAFTAからの離脱を余儀なくされ、北米に生産拠点を抱える日本の自動車産業にとっても大打撃となる。

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