2018年11月15日(木)

フジクラ、品質不正73品種 電力や防衛省に納入

環境エネ・素材
2018/9/1 1:00
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電線大手のフジクラは31日、送配電用電線や通信ケーブルなどで品質不正があったと発表した。子会社を含む10拠点で生産する73品種で品質データを改ざんしたり、契約通りの検査を実施しなかったりしていた。不正は1987年から行われ、不正製品の納入先は電力会社や防衛省など少なくとも66の企業・官庁にのぼるという。現時点で安全上の問題は確認されていないとしている。

品質不正の説明をするフジクラの伊藤雅彦社長(中)ら(31日、都内)

神戸製鋼所の品質不正が発覚した2017年10月に社内調査を進めた結果、同年12月に10件の不正が見つかった。年明けにも新たな不正が判明したため、今年6月からグループ全体で再調査したところ、不正件数は1件あたり複数品種を出荷したものを含め70件に膨らんだという。

不正件数のうち、一部検査の未実施や不足が半数近くを占め、試験書類に虚偽の検査結果を記入したケースもあった。不正の把握から公表が大幅に遅れたが、日本工業規格(JIS)の認証維持に必要な管理体制の変更手続きに不備もあり、公表を決めたという。業績への影響については現時点では不明としている。

フジクラの電線は電力業界で幅広く使われている。中部、中国、四国の3電力はフジクラから不正製品を納めていたとの通知を受け、使われた場所などを確認中という。九州電力は玄海原子力発電所(佐賀県玄海町)で作業員の被曝(ひばく)線量を管理する設備にフジクラの製品が使われている可能性があるとの報告を受けた。

防衛省もフジクラの不正製品を調達していた。東京電力ホールディングスはフジクラの電線を調達しているという。

31日に都内で開いた記者会見で、フジクラの伊藤雅彦社長は「詳細は調査中だが、ものづくり力への過信やおごりがあったのではないか」と述べた。伊藤氏は不正のあった事業部門で責任者も務めており「現場とのコミュニケーションが不足していた」と認めた。経営責任については「全容解明をまっとうしたい」とした。原因究明や再発防止策は年内にまとめる予定という。

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