2018年9月20日(木)

ブラジル4~6月期実質1.0%成長、スト響き減速 景気低迷長期化も

中南米
2018/8/31 22:17
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 【サンパウロ=外山尚之】ブラジル経済の低迷が長引く兆しが出てきた。5月に起きたトラック運転手によるストライキの余波で、31日公表の4~6月期の実質国内総生産(GDP)は前年同期比1.0%増と、1~3月期から0.2ポイント鈍化した。政府はスト解決のため、トラック運賃の大幅な値上げ要因となる「公定最低運賃」を導入。物流コストの上昇は競争力をそぎ、景気回復の足かせとなる可能性がある。

5月のトラック運転手のストライキが景気減速の要因となった=ロイター

 実質経済成長率は前期比では0.2%だった。景気低迷の主因は、5月下旬のトラック運転手による大規模ストライキだ。燃料価格の高騰に対抗する形で1週間以上にわたり全国的に物流網がまひし、経済活動が実質的に停止状態となった。

 特に農業への打撃が大きく、農畜産物の輸出が一時的に落ち込んだ。米中貿易戦争の余波で中国向けの大豆などの需要は旺盛だが、補いきれなかった。ストの影響で消費や製造業、サービス業など各分野で前年同期比の数字が1~3月期の実績を下回った。

 ストの影響は一過性ですまない公算が大きい。テメル大統領は8月9日、トラック輸送の料金の下限を定める公定最低運賃を導入する大統領令に署名したと発表した。

 国土が広大で鉄道網が未発達なブラジルではトラック輸送の依存度が高い。物流コストが最大で2倍になるとの試算もあり、経済団体のブラジル全国工業連盟(CNI)は最低運賃の導入が憲法違反だとして最高裁に訴えている。

 10月の大統領選は混戦模様となっており、経済の先行きが見通せないのも懸念材料だ。トルコショックの余波を受け、レアルは下落が続く。民間シンクタンク、ジェトゥリオ・バルガス財団のマルセロ・ケフリ教授は「アルゼンチンやトルコに比べると財政状態はよいが、不透明感が強い」と分析する。

 物流コストの上昇と通貨安を受け、インフレ懸念が高まっているのも経済にはマイナス要因だ。7月の物価上昇率は年率4.48%と、約1年半ぶりの高水準を記録した。金融市場では、9月に中央銀行が利上げするとの観測が出ている。

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