農業「生鮮輸出」に課題 高価格マーケット創出必要

2018/8/31 21:46
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価格上昇などで国内消費が鈍る一方、海外市場の開拓が重要になっているコメ市場。8月31日には農林水産省が「グローバル・ファーマーズ・プロジェクト(GFP)」という政策を立ち上げた。輸出に取り組む農家に特化し、登録制で支援する仕組みだ。

長野県伊那市ではコメ輸出に向けて稲穂が実っている

「耕作放棄地をオーガニック農地として再生し、高付加価値の日本のコメを輸出できる」。自民党の小泉進次郎衆院議員は同日、長野県伊那市で田んぼを視察し語った。GFPの登録第1号となった、Wakka Agri(ワッカアグリ=伊那市)の取り組みだ。

輸出拡大は農産物の需要減や価格押し下げ圧力の緩和につながると期待される。鈴木憲和衆院議員はJA関係者らに「2050年に日本の人口は1億人を下回る予測だ。国内のみの販売なら価格は下がるので海外展開が重要」と説明した。

課題は生鮮品でどう付加価値を認めてもらうかだ。農林水産物の輸出額は2018年1~6月期に前年同期比15%増の4358億円と、年間で過去最高になる勢いだ。

ただ内訳をみると加工品も目立つ。インスタント麺を含む「穀粉調製品」は同23%増の132億円と牛肉の108億円より多い。加工品は小麦のような輸入原料が少なくない。中東向け輸出が伸びる炭酸飲料も糖分は輸入穀物から作っている。

輸入原料をもとにした加工貿易だと、新たに付加された価格分は国内農業に還元されない。生鮮食品の廃棄ロスが多い新興国と協力して冷蔵輸送網のコールドチェーンを実現するなど、国産の果実やコメを高価格で海外で買ってもらう工夫が必要だ。

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