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原油高、米国の在庫減が誘発 「トランプ流」で加速

2018/8/31 21:29
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米国の原油在庫が減少している。欧州産に比べて割安になった米国産原油の輸出が伸びているためだ。間接的だが、トランプ米政権によるイランへの経済制裁や中国との貿易摩擦も在庫低下の一因に働いている。イランの供給が細る懸念が相場を下支えするなか、米国の在庫減が買いを呼んでおり、原油価格は1カ月ぶりの高値圏まで上昇している。

ニューヨーク市場のWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)原油先物は8月30日、7月末以来の1バレル70ドル台をつけた。米エネルギー情報局(EIA)が29日に発表した週間統計で、米原油在庫が前の週より256万バレル減の4億579万バレルと、市場の予想を上回って減少。先物買いが膨らんだ。

8月中旬はトルコの通貨リラ急落で原油も売られた。WTIは一時65ドルを割り込んだが、「下旬はドル安が進む中で在庫減が後押し材料」(ニッセイ基礎研究所の佐久間誠准主任研究員)となり、2週間で1割上げた。

EIAによると、米国の商業在庫は3年半ぶりの低水準。過去最高だった2017年3月より24%少ない。製油所の高い稼働率やカナダの供給減といった事情もあるが、米国の輸出拡大が大きい。米国の原油輸出量は週間ベースで6月に一時、日量300万バレルに達し過去最高を更新。8月も前年同期の2倍近い。

輸出量は米国産原油の割安さと密接に連動する。欧州指標の北海ブレント原油に比べ、WTIは6月に1バレルあたり10ドル以上安くなり、輸出拡大に拍車がかかった。トランプ米大統領がイランに再び制裁をかけると表明したのが5月。イランの供給が落ち込む懸念で、中東に近いロンドン市場の北海ブレントにより強い上昇圧力がかかった。

供給不安の一巡で価格差はいったん縮まったが、8月初めからまた開き始めた。今度の材料は米中貿易戦争だ。中国は世界最大の原油輸入国。国有石油大手が米国産の輸入を止めたと伝わり、WTIに下押し圧力がかかった。中国は報復関税の対象から原油を外したが、足元の価格差は7ドル台。割安感はなお強い。

米国は11月初め、イラン原油への制裁を復活させる。「いよいよイランの供給が減ると北海ブレントとの価格差はなお開き、米国の輸出は増えやすい。暖房油需要が膨らむ冬にかけ米原油在庫が減る可能性がある」(石油天然ガス・金属鉱物資源機構の野神隆之首席エコノミスト)

トランプ流の外交・通商政策が一役買った在庫の低下は、需給の引き締まりを意識させ、相場を押し上げる。トランプ政権は8月20日、米国の戦略石油備蓄を10月から1100万バレル放出すると発表した。しかしその後のWTIは上昇基調のまま。高値をけん制する狙いは今のところ不発だ。(久門武史)

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