2018年9月19日(水)

欧州委員会、サマータイムの廃止提案へ

ヨーロッパ
2018/8/31 18:42 (2018/8/31 22:53更新)
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 【ブリュッセル=森本学】欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会は31日、サマータイム(夏時間)の廃止を提案する方針を決めた。欧州では夏時間を巡って、夜間の省エネルギー効果などが乏しいうえに、健康面への悪影響から廃止論が強まっている。7月から8月中旬にかけて欧州委が実施したパブリックコメント(意見公募)では84%が廃止を支持。これを受けて、廃止法案を欧州議会と加盟国に提案する準備に入った。

欧米ではサマータイムは広く導入されている(フランス南部のマントンのテラス席で夕食をとる人たち)=Mandoga Media・DPA提供(AP)

 欧州委が31日公表した夏時間の廃止の是非を問うパブコメ結果の速報によると、460万人から寄せられた意見の84%が廃止を支持した。省エネルギー効果が小さい、健康にマイナス、交通事故の原因になっている、といった意見が多く寄せられたという。

 ユンケル欧州委員長は31日、ドイツ公共放送ZDFのインタビューで「数百万人の市民がこれ以上、(夏時間と冬時間の間で)時計を変えたくないと言っている」と指摘。「欧州委は彼らが言っていることをするだろう」と表明した。

 EUの夏時間は加盟28カ国すべてを対象に、3月の最終日曜日に時計を1時間進めて夏時間とし、10月の最終日曜日に標準時間(冬時間)へ戻す仕組み。欧州では1970年代後半から本格的な夏時間が普及してきた。

 ただ近年は高齢者や子どもの健康に悪影響を及ぼしているとの懸念から廃止論が高まっていた。欧州議会が2017年10月にまとめた報告書は、体内時計への悪影響による睡眠障害や、注意力低下に伴う事故の増大、心臓発作のリスク増などの可能性を指摘していた。

 加盟国ごとにバラバラな対応になれば、交通網や域内の貿易のコストを大幅に引き上げる懸念があるため、EUで統一して廃止を目指す構えだ。廃止の実現には、欧州議会と加盟国の承認が必要となる。

 日本でも2020年の東京五輪・パラリンピックに向けて「暑さ対策」として、夏時間導入の是非の検討が進む。しかし40年以上にわたって定着していた欧州は逆に廃止への一歩を踏み出すことになり、日本の議論にも影響を与えそうだ。

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