2018年11月13日(火)

インドネシア・ルピア、危機後の最安値に 中銀は為替介入

東南アジア
2018/8/31 15:01
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【ジャカルタ=鈴木淳】31日未明の外国為替市場で、インドネシアの通貨ルピア相場が一時、1990年代後半のアジア通貨危機以来、20年ぶりの安値に下落した。アルゼンチン通貨の急落を受け、経常赤字を抱える新興国経済への不安が再燃した。インドネシア中央銀行は通貨防衛のため、為替介入を実施した。

QUICKなどによると、ルピア相場は31日未明に一時1ドル=1万4840ルピアまで下落した。スハルト長期独裁政権が崩壊して経済が混乱した1998年7月以来の最安値をつけた。その後、中銀がドル売り・ルピア買いの為替介入を行い、ルピアはやや値を戻しているが、依然として最安値圏で推移する。

米連邦準備理事会(FRB)の利上げによりお金の流れが新興国から米国に向かい、インドネシアでも18年に入り外国人投資家が株式や国債を売る動きが強まっている。ルピア相場は年初から約8%下落した。インドネシア中銀は5月以降、4回の利上げを実施して通貨防衛の姿勢を鮮明にしている。ただ、ルピア相場はその後も軟調だ。

通貨下落の影響で、経済成長の柱である個人消費が伸び悩むおそれもある。ルピアが下落すると、輸入品の販売価格が上昇するからだ。多くを輸入に頼る原油や石油製品の調達コスト増にもつながり、物流などのコストも増す。また中銀が通貨防衛のために政策金利を上げているが、住宅ローンや自動車ローンの金利が上がれば販売に響く。

通貨安が続けば、金利が相対的に低いドルなどの外貨で資金調達している企業のルピア建てでの負担が増し、企業業績に悪影響が出る。ただ、アジア通貨危機の教訓から、企業の多くは為替ヘッジなどの対策を講じているため、20年前のような経済の混乱が直ちに再現するとの見方は少ない。

インドネシアは足元で5%程度の堅調な成長を続けている。政府高官は「インドネシア経済の基礎的条件は安定している」と述べた。外貨準備高も6.7カ月分の輸入額にあたる1183億ドル(約13兆円、7月末)となり、最低限必要とされる3カ月分を大きく上回る。

ただ、経常赤字と財政赤字のいわゆる「双子の赤字」をかかえる脆弱な経済構造を持つため、通貨が売られやすい。ジョコ政権は経常赤字の要因となる貿易収支の改善を急いでいる。900品目の消費財に最大10%の輸入関税を課すほか、自動車の完成車輸入を一部制限する案が出ている。

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