2018年9月24日(月)

新興国通貨、下落加速 アルゼンチンは利上げで金利60%に
トルコショックが深刻化

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2018/8/31 7:10
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 【サンパウロ=外山尚之、イスタンブール=佐野彰洋】トルコの通貨リラの急落に端を発した「トルコショック」を受け、新興国の通貨安が加速している。アルゼンチンの中央銀行は30日、通貨防衛のため政策金利を年率60%に引き上げたが、通貨ペソの下落は止まらず、年初来からの下落率は50%に達した。ブラジルやインドの通貨も過去最安値の水準に下落した。通貨安が物価上昇を引き起こし、新興国景気を冷やす懸念が深まっている。

アルゼンチンの通貨ペソは下落が止まらない(30日、ブエノスアイレス)=ロイター

 アルゼンチン中銀は30日朝(日本時間同日夜)、政策金利を15%引き上げたと発表した。13日にも5%の利上げを実施したばかりで、緊急利上げは4月以来、5回目。引き上げ幅は計32.75%となった。

 マクリ大統領は29日に国際通貨基金(IMF)に追加支援を要請したが、市場で広がるアルゼンチン経済への不安感は払拭されなかった。利上げの効果も乏しく、ペソは30日に一時1ドル=41.47ペソと、対ドルで前日比18%下落した。年初来の下落幅は50%を超える。

 震源地であるトルコでも通貨下落は止まっていない。30日の対ドル相場は一時1ドル=6.8リラ台と、前日比5%強下落した。トルコ中央銀行のキリミジ副総裁が辞任するとロイター通信が報道したことを受け、下げが加速した。エルドアン大統領が29日夜の演説で「(経済的な)脅しに対し、譲歩することは不可能だ」と述べ、対米強硬姿勢を貫いていることもリラ売り要因となった。

 トルコでは13日に1ドル=7.2リラ台の過去最安値を記録。その後、銀行監督当局による為替スワップ取引制限などで一時5.8リラ前後まで買い戻されたが、イスラム教の祝祭連休後は再び下落基調となっている。

 10月に大統領選を控えるブラジルでは不透明感を嫌気し、トルコショックを契機にレアル売りが進行。30日には一時1ドル=4.21レアルと、過去最安値に迫った。インドでも月末のドル買い需要で、30日に1ドル=70.81ルピーと最安値を更新した。

 通貨安に伴う輸入物価の上昇という「悪いインフレ」が進行、景気の下押し懸念が強くなっている。アルゼンチンでは7月のインフレ率が年率31.2%と前月から1.7ポイント上昇。足元のペソ安でさらなる物価上昇は避けられない。トルコは7月に同15.85%と、14年ぶりの高水準を記録した。

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