フィリピンが国民ID制度、口座の開設可能に

2018/8/30 22:10
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【マニラ=ミカエル・フローレス】フィリピンは国民を対象にしたID制度を導入し、銀行口座の開設や政府サービスに利用できるようにする。

8月に法制化された予算規模300億ペソ(約626億円)の制度は、フィリピン人と在住外国人に12桁の番号が記された国民IDカードを発行する。同制度では目のスキャンと指紋から情報を収集し、住所や血液型、生年月日の情報も登録する。

フィリピン統計庁は、2023年にかけた全面施行を前に、12月に100万世帯で試験的に制度を運用する。

同制度は、取引の簡素化を目指している。現在、政府や事業の取引向けに30を超える種類のIDが身分証明のために認められているが、安全対策が欠如していたり、詐欺に対して脆弱なものも多い。取得要件の厳しさから、貧しい人の多くはパスポートといった広く認められている身分証明書を持てないでいる。

同国のドゥテルテ大統領は法制化の署名にあたり「これは行政上の管理を強化するだけでなく汚職や官僚的なお役所仕事を減らし、事業をしやすくする。さらに、不正取引を回避し、多くの人が金融サービスを利用できるようにし、国民にとってより安全な環境を作り出す」と語った。

ドゥテルテ氏が目指すのは、インドのID制度「アーダール」の成功を踏襲することだ。09年に導入されたインドのアーダールは、生活保護支給の漏れを防ぐための大変革とされたが、身分詐称が起きやすくなったとの批判も受けている。

フィリピン中央銀行のエスペニリャ総裁は、多くの国民にとってこの制度で金融機関を利用する際の障害が取り除かれることになるとみている。

同氏は28日、「国民を金融システムに含める上で最も骨が折れるのは、システムに乗せることで、そのためにはIDが必要だ」と語った。

中央銀行の統計によると、フィリピンの成人7000万人のうち、金融機関に口座を持っているのはわずか22%にとどまる。17年で人口の約半数は銀行のサービスを利用できておらず、そのうち2割は口座開設に必要な書類を持っていなかった。

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