2018年9月20日(木)

福島廃炉道険し トリチウム水の処分方法で公聴会

環境エネ・素材
北海道・東北
科学&新技術
2018/8/30 22:09
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 東京電力福島第1原子力発電所で出る汚染水を処理した後に残るトリチウムを含む水について、経済産業省の有識者会議は30日、処分方法や時期について国民の意見を聞く公聴会を福島県富岡町で開いた。政府や東電は海洋放出を進めたい考えだが、風評被害への懸念から反対が相次いだ。

福島第1原発敷地内に立ち並ぶトリチウム水などが入ったタンク(2月)

福島第1原発敷地内に立ち並ぶトリチウム水などが入ったタンク(2月)

 公聴会では公募で選ばれた県内外の14人が処分方法などに関する意見を表明。福島県漁業協同組合連合会の野崎哲会長は「海洋放出は試験操業で積み上げてきた県水産物への安心感をないがしろにしている」と批判した。

 同県新地町の漁業者も「今も自由に漁業ができないことに苦しんでいる。海洋放出により福島の漁業がなくなってしまう恐れもある」と訴えた。

 一方、研究者の男性は「タンク保管をいつまでも続ける訳にはいかないと感じた。科学的データで影響がない状態を説明し、海洋放出すべきだ」と賛成意見を述べた。

 福島第1原発では、事故で溶け固まった核燃料を冷やす水に地下水が混じって、汚染水が増え続けている。トリチウム以外のほとんどの放射性物質を浄化装置で取り除く処理をしたうえで、タンクに貯蔵される。

 現在、タンクの数は原発敷地内で約900基。今後2年程度でタンクを設置する敷地がなくなる見通しで、汚染水の最終的な処理が差し迫った課題になっている。

 原子力規制委員会の更田豊志委員長は29日の記者会見で「科学的には基準を守って放出すれば影響を与えるとは考えられない」との見方を示した。政府や東電は風評被害の影響を抑える方策を打ち出し、海洋放出に対する地元の理解を得たい考えだが、公聴会では漁業者らとの溝が改めて表面化した形となった。

 31日も引き続き、東京都内と福島県で公聴会が開かれる。今後、政府と東電は公聴会で出た意見を参考に、経産省の有識者会議で対応を検討する方針だ。

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