2018年11月15日(木)

中国ZTEの1~6月期、純損失1280億円 米制裁響く

米中衝突
エレクトロニクス
中国・台湾
アジアBiz
2018/8/30 21:38
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【西安=中村裕】中国通信機器大手の中興通訊(ZTE)は30日、1~6月期の最終損益が78億元(約1280億円)の赤字となったと発表した。前年同期の23億元の黒字から一転、大幅赤字に転落した。4月中旬から3カ月に渡って米国から制裁を受け、主力のスマートフォン(スマホ)や通信設備の生産ができなくなり、主要業務がほぼ全てストップしたことが影響した。制裁は7月中旬に解除されたが、今後も厳しい経営状況は続きそうだ。

中国の通信機器大手ZTE(北京)=AP

中国の通信機器大手ZTE(北京)=AP

売上高は前年同期比27%減の394億元(約6440億円)だった。米国は4月中旬、ZTEがイランや北朝鮮に不正に通信機器を輸出していたとして制裁を発動。ZTEに対し、7年間に渡って米企業との取引禁止を命じたもので、これによってZTEはスマホや通信設備の心臓部である半導体が調達できなくなり、生産は全面的にストップした。

ZTEは自社ブランドのスマホや通信設備を米国や中国などで販売するほか、日本のNTTドコモKDDI(au)、ソフトバンクの携帯大手3社向けにも製品供給し、生産中止は世界中に影響を広げた。

米中間の協議で7月13日にZTEへの制裁は解除され、生産は回復した。ただイメージダウンは大きく、今後の経営も一段の厳しさが予想される。ZTEで海外販売を担当する30代の男性社員は日本経済新聞の取材に対し「(米制裁の期間中)我々は進行中の多くのプロジェクトを失った。信頼回復は難しい。顧客から信頼されなくなった」などと語った。

実際、米制裁の影響は今も続いている。オーストラリア政府は8月23日までに、次世代高速通信規格「5G」の国内導入に当たり、中国通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)とZTEの市場参入を禁止にした。中国2社の5G用の通信機器を介し、中国政府側に重要情報が漏洩するリスクがあるとみなした。

5Gは現在主流の4Gの100倍の高速通信を可能にすると期待され、世界各国が導入の準備を進めている。中国の国有会社であるZTEは、5G導入を機に世界シェアを一気に高めようと、政府の強力な後押しを受けた巨額投資で開発を進めてきた経緯がある。今後、オーストラリアと同様の動きが他国に広がれば、経営へのダメージは一層深刻なものになる。

同社は30日には業績公表に伴う記者会見を開かなかった。28日に開いた臨時株主総会では、経営トップの徐子陽・最高経営責任者(CEO)が、現在の経営状況について、「(米制裁が解除され)生産は回復した。今後は半導体の自社開発に力を入れていく。我々は依然、業界の第1陣営にいる。現在の受注状況は去年とほぼ同水準に回復している」などと述べた。

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米、ZTE制裁解除[有料会員限定]

2018/7/14付

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