2018年11月19日(月)

太陽光パネル清掃ロボ、海外開拓 未来機械に四国電など出資
大型を量産 四国電、新事業創出急ぐ

環境エネ・素材
中国・四国
2018/8/31 6:00
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香川大学発のベンチャー、未来機械(高松市)と四国電力などは30日、海外向けに太陽光発電パネルの清掃ロボットを量産すると発表した。四国電や生産を担う小橋工業(岡山市)など9者が総額7億円を出資。水を使わず自走するのが特徴で、手作業に比べコストを大幅に圧縮できる。大型の発電所用にインドや中東諸国といった砂漠地域を開拓する。

量産する太陽光パネル向けの大型清掃ロボ(30日、高松市)

量産する清掃ロボは全長4メートル、重さ約60キログラム。2~3人で持ち運び、パネルの上に置いて走らせる。水は使わず、砂をブラシではき飛ばす。1時間あたり2100平方メートル(パネル約1050枚)、脱着式のバッテリーは充電1回につき2時間使用できる。交換すれば24時間稼働できる。

未来機械は小型の太陽光パネル清掃ロボを世界に先駆けて実用化し、サウジアラビアやカタールなどに導入済みだ。今回の大型機種は小型と比較すると、清掃スピードは7倍、パネルの傾きは30度まで対応できる。ブラシは使用環境に合わせ調整できる。

中東などは日本より日射量が多く太陽光発電の効率が高い一方、砂漠の砂が積もると効率が落ち、清掃は灼熱(しゃくねつ)下の手作業に頼っている。再生可能エネルギーは世界的に成長が期待できるうえ、太陽光発電所は大型化する傾向にあり、清掃コストの半減も可能な大型機種のニーズが今後高まるとみて量産に踏み切る。

価格は1台数百万円を見込む。2019年度に数百台、その後は年間1000台を生産。インドや中東、北アフリカ、南米などの乾燥地域に売り込む。すでに商談も始まっており、未来機械として20年度(21年3月期)に30億円の売り上げを目指す。

04年に設立した未来機械は太陽光発電パネルの清掃ロボの開発で世界をリードしてきた。ただ、量産に向けては、その技術の信頼性の担保や資金調達が課題だった。工場の新設などはせず、出資する小橋工業が農業機械製造で培ってきた知見やノウハウを使って同社設備で生産していく。

出資者にはこれまで出資していたリアルテックファンド(東京・港)のほか、伊予銀行(松山市)グループや中国銀行(岡山市)グループなど、地元の中国四国からが多い。

四国電力が新事業を相次ぎ打ち出している。四国では人口減少が加速する中、2016年4月の電力小売り全面自由化を契機に競争が激化し、電力販売の伸びは期待しにくい。伊方原子力発電所の司法による運転差し止めも追い打ちをかけ、四国電の連結売上高の8割以上を占める電気事業の収支環境は厳しさを増していることが背景にある。

「目減りする電気事業にかわる収入源を得たい」。四国電の佐伯勇人社長は30日、同社初のベンチャー出資先となる未来機械との記者会見の場で、新事業に取り組む狙いを強調した。

四国電の販売電力量(電灯・電力)はこの10年間でピークの291億キロワット時(11年3月期)から足元の251億2000万キロワット時(18年3月期)と微減傾向。新電力や大手電力系の四国への参入も増え、ほぼ独占してきた市場の風穴は広がりつつある。

活路の1つが地域に浸透する「よんでんブランド」を使う事業領域の拡大だ。18年4月に清掃や買い物代行など生活の困り事解決を支援するサービスを始めた。高齢化や共働き増によるニーズをつかみ、ブランドの安心感を強みに顧客との接点を増やし電力プランの組み立てなどに生かす。

海外事業にも力を入れ始めた。南米チリでの太陽光発電のほか、北米初案件として米国での天然ガス火力発電への参画を24日に表明したばかり。海外発電は先行する中東を含め5件目となり、次なる成長エンジンとして、25年度に40億円(現在は約10億円)の利益確保を目標にしている。

佐伯社長は「ベンチャーとコラボしてブルーオーシャン(有望な新市場)を目指す」とも述べ、一定のリスクをとりながらも、評価の高いベンチャーへのさらなる出資にも意欲を示している。(深野尚孝)

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