九電の池辺社長「出力制御、秋にも」 太陽光発電の増加で
九州電力の池辺和弘社長は30日の記者会見で「秋にも電力の需給状況によって(太陽光・風力発電事業者に稼働停止を求める)『出力制御』が必要になることもある」と述べた。九州では太陽光発電の普及などで需給バランスが崩れる可能性が高まっており、九電はバランスを維持するために出力制御に踏み切る構えだ。実施されれば離島以外で全国初。
電力は需給が同量にならなければ周波数が安定せず、最悪の場合、大規模な停電が発生する。
九州は太陽光発電の急増や、原子力発電所の再稼働などで電力供給力が増える。冷房需要が落ち込めば火力発電所の出力を落とすといった調整を行っても需給バランスが崩れる恐れがある。池辺社長は「大きな混乱はないと思っているが、出力制御が確実になった段階で事前に連絡させていただく」とした。
池辺社長は、玄海原子力発電所(佐賀県玄海町)で検討を進める使用済み核燃料を金属製容器(キャスク)に入れて保管する「乾式貯蔵」について「玄海原発の敷地内で設置する方向で、さらに技術的な検討を進めるように指示した。また敷地外の中間貯蔵施設についても継続して技術的な検討を行っていく」と明らかにした。