2019年4月23日(火)

ホンダ「CR-V」2年ぶり復活 燃費売りに市場開拓

2018/8/30 12:00
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ホンダは31日、多目的スポーツ車(SUV)「CR-V」を2年ぶりに国内で発売する。新たにハイブリッド車(HV)を設定し、業界トップの燃費性能を売りに成長続くSUV市場を開拓する。消費者の車選びのポイントが燃費重視から変わりつつある中、海外販売の「エース」を復活させて、国内のテコ入れにつなげる。

新型CR-Vを発表する寺谷日本本部長(22日、東京都港区)

復活の狙いは主に2つ。17年に国内で6年ぶりに復活した主力車「シビック」と同様、グローバルでの人気車を投入して国内でのブランドを高めること。もう一つは成長するSUV市場をより開拓するためだ。

CR-Vは日本で1995年に初代が誕生し、世界各国で売られるホンダの基幹車種となった。17年の世界販売は76万台と最量販モデルの一つだ。今回は5代目のCR-V。だが中型SUVであるCR-Vは代を重ねるごとに海外では人気を高めた一方、国内販売は縮小していった。ホンダは16年に先代モデルの販売を終え、小型SUV「ヴェゼル」にSUVを一本化する戦略をとった。

もともとSUVは三菱自動車の「パジェロ」に代表される走破性が売りの「趣味のクルマ」だった。今ではデザインに優れ、広い荷室や3列シートを備えた実用性の高い車種もあり、国内人気が高まってきた。

日本自動車販売協会連合会によれば17年のSUVの販売台数は約45万6千台と前年比22%増えた。トヨタ自動車マツダといった他社が複数のSUVを展開する一方、ホンダはヴェゼルのみ。そこでCR-Vを復活させることにした。

新型CR-Vの大きな特徴は燃費性能の高さだ。11月に発売するHVは、発電用と駆動用の2つのモーターを組み合わせた独自システム「i-MMD」を搭載。街中では電気自動車(EV)と同様にモーターのみで走り、加速時はモーターとエンジンの両方を使う。高速道路などはエンジンのみで走る。

HVの燃費は1リットルあたり25.8キロメートル(JC08モード)とトヨタの「ハリアー」のHV(21.4キロメートル)といった競合を上回るクラストップだ。

ただ、燃費だけというわけにはいかない。高齢化などを背景に消費者の関心が変わっているためだ。調査会社のJ.D.パワーが17年にまとめた調査では、新車購入時に重視するポイントで16年は(1)デザイン(2)価格(3)燃費の順だった。17年には燃費に代わり安全機能が3番に入った。

パワートレインの開発を担った本田技術研究所の戸野倉直道主任研究員は「このクラスは燃費一辺倒では響きにくい。走りの良さも訴求したい」と話す。開発ではドイツのアウトバーンやオーストリアの山岳路など欧州各地を走り込んで走行性能を磨いた。自動ブレーキといった安全運転システム「ホンダセンシング」も全モデルに標準装備。変わりゆく消費者のニーズに対応する。

新型CR-Vの販売目標は月1200台で、HVは全体の45%を想定する。販売価格はHVが378万4320円から。

年間で1万5千台に届かない目標は月に2万台近くを売る大ヒットの軽自動車「N-BOX」に比べると控えめだ。ただいまのホンダにとっては数字には表れない意味もありそうだ。

ホンダの国内販売は多様な車種を自前で展開する一方、販売効率が落ちているのが課題だ。18年3月期の所在地別の営業利益率で日本は1.9%。二輪なども含まれるため一概に比較はできないがトヨタ(10.3%)といった競合を下回る。

自動車産業の大転換期を生き抜くにも母国の収益向上は欠かせない。収益性が高いSUVの強化は急務だ。日本本部長の寺谷公良執行役員は「伸びゆくSUVを充実させて国内でしっかり戦いたい」と話す。そのためにも「エース」のCR-Vに課せられた役目は大きい。

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