2018年11月17日(土)

米、非核化で中国に圧力 「北朝鮮に援助」非難

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2018/8/30 10:30
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【ワシントン=永沢毅】トランプ米大統領は29日、停滞している北朝鮮の非核化交渉に関連して「北朝鮮は中国からとてつもない圧力を受けている」として中国を非難する声明を発表、激しさを増す米中貿易戦争が背景にあると指摘した。6月の米朝首脳会談を受けて中止している米韓合同軍事演習を再開する場合は「かつてなく大規模」になるとも述べ、北朝鮮をけん制した。

トランプ米大統領は中国への圧力を強める姿勢を鮮明にした(17年11月の首脳会談)=ロイター

トランプ氏は自らのツイッターにホワイトハウスの声明を投稿した。中国が北朝鮮に圧力をかけているのは「私たち(米国)が中国と貿易問題で大きな紛争を抱えているからだ」と表明。さらに「中国が北朝鮮に資金や燃料、肥料といった多様な援助をかなり提供しているのは知っている。これは有害だ!」として、中国は国際的な制裁下にある北朝鮮への支援を通じて非核化を妨げていると不満をあらわにした。

そのうえで、貿易摩擦を含む米中間の様々な問題について「私と習近平(シー・ジンピン)国家主席との間でいずれ解決するつもりだ」として、今秋以降に予定される首脳会談で決着を図る考えを表明した。

トランプ氏は貿易戦争で対立を深める中国が裏で糸を引き、北朝鮮の非核化の進展を遅らせているとの疑念を強めている。対中貿易協議と北朝鮮の非核化交渉をリンクさせることで、中国に譲歩を迫る狙いがあるとみられる。ただ中国がトランプ氏の声明に反発するのは必至で、貿易紛争の解決が一段と遠のく懸念もある。

習氏は9月9日の北朝鮮建国70年を祝う式典に出席し、金正恩(キム・ジョンウン)委員長と再会談する可能性が取り沙汰されており、中朝の接近をけん制する思惑もありそうだ。

一方、トランプ氏は声明の中で、中止している米韓合同軍事演習について「もし演習を再開したら、かつてないほどの大きな規模になるだろう」と表明。演習は自身の判断でいつでも再開可能だと訴えた。膠着状態に陥っている非核化交渉の打開に向け、北朝鮮をけん制した可能性がある。

ただ、トランプ氏は金委員長との関係について「とても良好で、温かいものだと確信している」と強調。現時点では「米韓合同演習に巨額の資金を費やす理由はない」とも指摘した。

米韓演習を巡っては、マティス国防長官が28日の記者会見で「現時点でさらに中止する予定はない」と述べ、再開に含みを持たせていた。

トランプ氏は昨年、北朝鮮の核問題への協力を引き出そうと、中国の為替操作国の指定を見送るなど中国への配慮を示してきた。ただ、今春以降は貿易面での強硬な姿勢を強め、巨額の追加関税を相次ぎ発動。中国が報復関税をかける事態となっている。

トランプ氏は29日、ホワイトハウスで記者団に「米朝関係について言えば、中国が状況をとても難しくしている。これ以上我慢できない」と語った。「大統領に就任したとき、中国との貿易問題では意図的にたいしたことをしなかった。私たちが北朝鮮問題を連携して解決できるかどうか知りたかったからだ」とも説明した。

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