2019年8月23日(金)

ロシア大統領、年金改革案を一部修正 世論に配慮

2018/8/29 21:54
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【モスクワ=小川知世】ロシアのプーチン大統領は29日、政府が打ち出していた年金改革案の一部の修正を発表した。女性の受給開始年齢の引き上げ幅を緩和する。不人気な政策の説明でプーチン氏が矢面に立つのは異例。改革への反発で支持率が低下しており、妥協案を示すことで世論の反発を抑える狙いだ。

29日、国営テレビを通じ年金改革案の修正を表明するロシアのプーチン大統領=ロイター

7月、モスクワで、ロシア政府の年金改革案に反発し、プーチン大統領に引退を促すメッセージを掲げる市民ら=ロイター

国営テレビで同日放送した演説で表明。女性の受給開始年齢を政府案の63歳から60歳に修正する。メドベージェフ首相は6月、2019年から開始年齢を段階的に引き上げ、女性は55歳から63歳、男性は60歳から65歳にすると提案していた。

プーチン氏は当初案で引き上げ幅が男性で5歳、女性で8歳だったため、いずれも5歳に合わせたと説明。「女性への対応は丁寧だ」と述べた。

演説では、年金受給前の労働者を解雇した雇用主への刑事罰の適用など雇用保障策を新設すると表明。現状で受給者に適用している税制をはじめとする優遇策の開始年齢は据え置き、受給を待たずに享受できるようにすると明らかにした。

一方、プーチン氏は改革が必要だと主張。労働人口が減少する一方、引退する高齢者が増え年金支給の財源確保が難しくなっている現状を率直に語った。1人当たり月平均の受給額は現在、1万4千ルーブル(約2万3千円)だが、24年には2万ルーブルに増額されるとも話した。

プーチン氏は05年、年金支給の開始年齢について「(同氏が)大統領の間は引き上げない」と述べた。公約違反にも問われかねないが、29日の演説ではこの発言にもあえて言及。そのうえで、当時から生活水準が向上したが、インフレ率は低めに抑えられていると経済運営の成果を誇示した。

独立系調査機関のレバダセンターが7月に発表した世論調査では約9割が年金改革に否定的。インターネットで呼びかけられた反対署名は290万人を集め、各地で抗議デモが相次いだ。プーチン氏の支持率は改革案の発表前の8割前後から7月には67%に下がった。

25日には、全国規模の抗議デモの9月9日実施を呼びかけていた反体制派指導者のアレクセイ・ナワリニー氏が治安当局に拘束された。1月に無許可集会を組織したことが理由だ。

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