2018年9月25日(火)

携帯料金、透明化へ一歩 ソフトバンクが分離料金 値下げの実現なお焦点に

携帯料金見直し
ネット・IT
2018/8/30 1:31
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 携帯電話事業者が仕組みがわかりにくいと指摘されていた携帯電話料金を見直す。ソフトバンクが29日発表した新プランでは、毎月の携帯端末の割引をしない代わりに通信料金は2割程度安くする。値下げを求める政府の意向をにらんだ対策でもあるが、端末代との合計はほぼ同じで、消費者の負担軽減に向けた料金見直しには課題が残る。

 毎月の通信料金に含まれることが多かった端末の代金を切り離し、料金を透明化する分離プランが大手3社で出そろった。ソフトバンクの新プランをみると、月に50ギガ(ギガは10億)バイトのデータ通信容量を使う場合、各種割引を除けば2年契約で月額7480円(税抜き)から利用でき、従来より2割程度安い。

 ただ毎月の端末割引が無くなるため、端末代金は値上がりとなる。iPhone8を同社の主要プランである4年間の分割払いで端末代金の半額値引きを適用した場合、新プランは4万7160円(税込み)と従来プランに比べ3.5倍だ。端末と通信料の合計をみると、新プランは同2%程度しか安くならない。

 従来プランは通信料金と端末代金を一体的に提供していた。毎月の料金から端末価格相当を割り引き、10万円近い端末代を1万円程度の負担額で購入できる例もあった。だが端末の割引に終始し、通信料金の競争が進んでいない点を総務省が問題視していた。

 新プランは通信料金と端末価格を明確に分け、端末価格相当の割引原資を通信料金の値下げに充てた。端末価格の負担感は増すが、頻繁に買い替える人と長く使う人との不公平感は解消できる。

 端末価格を下げる策として、KDDIなどが17年に導入したのが「4年縛り」という販売手法だ。端末価格を4年間の分割払いとし、月当たりの負担額を抑えたほか、2年経過後に機種変更や利用中の旧端末を下取りに出すなどの条件で最大2年間の未払い金を免除する。下取り端末を中古業者に販売するなどして割引原資を確保していた。ただ「一度加入したら他社への乗り換えが困難」(公正取引委員会)という新たな問題もある。

 「4割程度下げられる余地がある」。菅義偉官房長官の発言を機に、日本の携帯電話料金引き下げ論が再燃した。これまで携帯事業者は政府から値下げの圧力を受けるたびに割引プランを導入。これにより各社の料金の仕組みが複雑になった。大手3社の新プランでは、料金体系については分かりやすい仕組みに向け一歩を踏み出した。

 ただ日本の携帯市場は大手3社の寡占化といった課題がある。競争を通じた料金のさらなる引き下げやサービスの向上の実現も重要になる。

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