2019年4月20日(土)

安保理のロヒンギャ迫害協議、軍幹部訴追の議論なし

2018/8/29 7:29
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【ニューヨーク=高橋里奈】国連安全保障理事会は28日、ミャンマーのイスラム系少数民族ロヒンギャの迫害問題を協議した。米国のヘイリー国連大使がミャンマー軍を名指しで非難したものの、中国が「圧力をかけるのではなく建設的な支援を」と主張するなど温度差が目立った。国連人権理事会が設置した国際調査団が軍幹部の訴追を求める報告書を27日に発表していたが、安保理では議論されなかった。

28日、ロヒンギャ難民の惨状を訴えるケイト・ブランシェットUNHCR親善大使(ニューヨークの国連本部)=国連提供

議長を務めた英国のウィンブルドン国連・コモンウェルス担当相は「安保理は問題解決を目指すミャンマーの人々を支援する一方、ミャンマー軍など解決を邪魔する者にはあらゆる圧力をかける用意をすべきだ」と主張。一方で中国とロシアは「ミャンマーとバングラデシュの2国間の協力が問題解決の鍵だ」(ロシアのネベンジャ国連大使)と共同歩調をとり、ミャンマーへの圧力路線に反対した。

ロヒンギャ問題を巡っては国際調査団が27日、ジェノサイド(民族虐殺)を指示した疑いでミャンマー軍幹部6人の訴追を求める報告書を発表したが、28日の安保理会合では軍の責任追及には触れなかった。常任理事国として拒否権を持つ中ロがミャンマー寄りの立場で、訴追や制裁に道を開く決議の採択は困難なためだ。

安保理では2017年11月に欧米諸国がロヒンギャ迫害を非難する決議の採択を模索したが中国が反発。法的拘束力を持つ決議は採択できず、格下の議長声明にとどまった。国際社会で孤立するミャンマーへの影響力を維持したい中国の思惑が立ちはだかる。

今回の安保理会合はロヒンギャがミャンマーのラカイン州で大規模な迫害にさらされ、隣国バングラデシュへ大量に逃れてから約1年を機に開かれた。1年を経ても72万人以上がバングラデシュで難民生活を余儀なくされている。

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