2018年9月18日(火)

放射線でがん狙い撃ち 副作用抑制 国立がんセンター病院

科学&新技術
2018/8/28 16:58
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 国立がん研究センター中央病院や山形大学は28日、全身から脳に転移したがんの多くを外科手術で取り除いた後、残ったがんだけに放射線を当てると副作用が生じにくいことを臨床研究で確かめたと発表した。外科手術後に脳全体に放射線を当てる従来の手法に比べ、認知機能が低下する患者の割合を半分以下に抑えた。

 脳に転移したがんの新しい標準的な治療法になると期待される。成果は米科学誌「ジャーナル・オブ・クリニカル・オンコロジー」に掲載した。

 肺や胃、大腸などの臓器にできたがんの10%は脳に転移する。従来の治療法はがんを取り除く外科手術の後、数が多すぎるため除去しきれなかった小さながんをたたくため、脳全体に放射線を当てることが多かった。ただ脳の正常な部位にも放射線が当たるため、記憶力が低下したり日常生活に支障が出たりする副作用が出やすかった。

 研究チームは2006~14年、転移した脳腫瘍を手術で除去した約270人を2グループに分けて臨床研究を実施。手術後に脳全体に放射線を当てると、治療開始から91日以降に16.4%の患者の認知機能が低下した。

 一方、手術で取り切れずに残ったがんを探して一つ一つ放射線を当てると、認知機能が低下したのは7.7%だった。

 現在も同じ方法で治療するケースはあるが、脳全体に放射線を当てた場合と比べて、どれくらい治療効果に差があるか明確ではなかった。

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