2018年11月15日(木)

障害者雇用水増し3460人 国の機関の8割、雇用率半減

経済
2018/8/28 10:04 (2018/8/28 11:48更新)
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中央省庁が雇用する障害者数を水増ししていた問題で、厚生労働省は28日、各省庁を再点検した結果、計3460人分が国のガイドラインに反して不正に算入されていたと発表した。障害者数の約半分が水増しだったことになる。雇用の旗振り役である中央省庁自らが数値を偽っていたことになり、制度の信頼が大きく揺らいでいる。

障害者雇用の水増しについて、記者会見で頭を下げる加藤厚労相(28日午前、厚労省)

障害者雇用の水増しについて、記者会見で頭を下げる加藤厚労相(28日午前、厚労省)

水増しは内閣府や総務省、国土交通省など全体の約8割にあたる27の機関で発覚した。法務省や財務省、外務省、気象庁、公正取引委員会などでも見つかった。実際の雇用率は大きく減少し、公表していた2.49%から1.19%に落ち込む。

障害者数が最も減るのは国税庁で1000人超のマイナスになる。雇用率が0%台なのは総務省や法務省、文部科学省など計18機関になった。

加藤勝信厚生労働相は28日の閣議後の記者会見で、「障害者施策を推進する立場として深くおわびを申し上げる」と頭を下げ、「今年中に法定雇用率に満たない人数を雇用するよう努力してもらう」と述べた。水増しの原因については「故意か理解不足によるものか、今回の調査では判断しきれない」とした。

障害者雇用促進法は、企業や公的機関に一定割合の障害者を雇うよう義務づけている。現在の国の法定雇用率は2.5%。厚労省は国の33行政機関の障害者雇用数について昨年6月時点で約6900人とし、当時の法定雇用率(2.3%)を達成したとしていた。

厚労省のガイドラインでは障害者手帳などの確認を算定条件にしている。しかし、多くの省庁が手帳などを確認せず障害者として組み入れていた実態が明らかになった。就業できるはずだった障害者の雇用機会を奪っていた可能性がある。

首相官邸で開かれた公共部門における障害者雇用に関する関係閣僚会議(28日午前)

首相官邸で開かれた公共部門における障害者雇用に関する関係閣僚会議(28日午前)

企業の場合は法定雇用率を下回ると、不足数1人当たり月額5万円の納付金を求められる。ペナルティーがない行政機関が不適切な算定をしていたことに対し、民間などからの批判が高まるのは必至だ。水増しは全国の自治体でも相次いで発覚している。

政府は28日、障害者雇用の水増し問題を巡り、関係閣僚会議を首相官邸で開いた。菅義偉官房長官は加藤厚生労働相を議長として再発防止策などを検討する関係府省連絡会議を設置すると表明。「10月中をメドに政府一体となった取り組みのとりまとめができるように検討を進めてほしい」と指示した。同連絡会議のもとに弁護士など第三者による検証チームもつくる。

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