2018年9月23日(日)

車部材調達比率75%に上げ 米メキシコNAFTA合意

トランプ政権
貿易摩擦
北米
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2018/8/28 6:32 (2018/8/28 10:04更新)
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 【ワシントン=鳳山太成】米国とメキシコの両政府は27日、北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉を巡り、2国間協議の合意内容を発表した。焦点の1つである自動車貿易の関税をゼロにする条件では部材調達比率を75%に引き上げる。カナダと交渉を再開するが、トランプ大統領は同国抜きの協定への移行もちらつかせて譲歩を迫る。3カ国で最終合意できるかが今後の焦点となる。

トランプ氏はNAFTAの名称変更の可能性に言及した=ロイター

トランプ氏はNAFTAの名称変更の可能性に言及した=ロイター

 両政府は27日まで閣僚会合を開き、NAFTAの見直しで2国間の大筋合意に達した。トランプ米大統領がホワイトハウスで記者団を前にメキシコのペニャニエト大統領に電話し「両国の製造業や農業の雇用に特別な合意だ」と強調した。

 米政府によると、自動車の関税撤廃の恩恵を受けられる条件を定めた「原産地規則」は、米国とメキシコの部材を75%以上調達するよう求める。現在は域内で62.5%以上と定める。さらに40~45%は時給16ドル(約1800円)の地域での生産を義務付ける「賃金条項」も導入する。低賃金のメキシコではなく、米国産の部材を多く使うよう促す狙いがある。鉄鋼やガラスなど素材の域内調達を促す条項も入れた。

 米国が導入を求めてきた、5年ごとに協定を更新しなければ自動的に失効する「サンセット条項」は採用しなかった。代わりに6年ごとに協定を見直しながら16年間延長する仕組みを入れる。同条項はメキシコとカナダが強く反対してきた。

 カナダのフリーランド外相が28日に訪米する予定で、カナダを含めた交渉が再開する。米政府は週内の3カ国合意を目指すが、カナダが強い乳製品などを巡って協議が難航する可能性がある。

 米政府は交渉結果を31日に議会に通知して11月末までの署名を目指す。米政府高官は「(月内に)カナダが加わるのが理想的だが、もし入らなければ米メキシコの2国間協定として通知する」と説明する。トランプ氏はNAFTAを2国間協定に置き換える可能性に言及しながら、カナダに譲歩を促した。さらに「NAFTAは米国を長年傷つけてきた」として、協定の形態に限らず名称を変えたいと表明した。

 カナダを含む3カ国で最終合意すれば、メキシコやカナダを米国への輸出拠点と位置づける日本車メーカーもサプライチェーン(供給網)の見直しを迫られそうだ。原産地規則の厳格化で、日本や中国の部材を使いにくくなる。同規則を満たすために追加でコストがかさみ、協定を使わずに関税を払って米国に持ち込むケースもあり得る。

 トランプ氏が脅すようにカナダを除く米・メキシコの2国間協定で手続きが進めば、カナダに工場を持つトヨタ自動車ホンダの生産戦略にも影響を及ぼしそうだ。

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