2018年9月22日(土)

就活早期化が逆風 留学生内定率、国内学生の半分

就活
ビジネス
2018/8/27 14:37
保存
共有
印刷
その他

 就活の早期化が外国人留学生にとって逆風になっている。就職情報大手のディスコ(東京・文京)が27日に発表した調査では、7月時点で内定(内々定を含む)を得た人の比率は4割強と国内学生の半分程度だった。同社によると、留学生は学業優先で卒業までに決まればいいという考え方が強く、早く活動を始める国内学生に後れを取る傾向があるという。

企業の外国人留学生の採用意欲は高いが、語学能力などで採用を見送る場合もある(ディスコが留学生向けに開いた説明会)

■就職活動「厳しい」8割に

 調査は同社の新卒就職情報サイト「キャリタス」で6月28日~7月18日に実施し、2019年春に卒業予定で登録する外国人留学生モニター277人から回答を得た。回答者の出身国・地域は中国が6割以上、次いで東南アジアと韓国、台湾で大半がアジアだった。

 7月時点での内定(内々定を含む)の有無を聞いたところ、42.6%の学生が「内定あり」と回答した。前年調査より4.4ポイント上昇した。内定社数は平均で2.0社と、前年(1.6社)を上回った。国内学生同様、昨年よりも売り手市場の恩恵を享受しているともいえる。

 一方で、内定率は81.1%に達した国内学生の半分ほどで、既に内定を得た人も含めて外国人留学生の71.8%が就活を継続していた。就職活動の難易度を聞いたところ、「とても厳しい」「やや厳しい」の合計は80.7%に上り、国内学生(39.8%)の倍以上に達した。

 原因の1つに留学生の就活開始時期が国内学生に比べて遅いことがある。留学生が就活を始めた時期では「4年生の4月時点」が25.3%と最も高いなど、経団連が求める採用広報解禁の3月以降が56.3%を占める。国内の学生の9割以上が「3年生の12月」までに始めるなど就活は早期化しており、その分情報格差も広がっている。

 ディスコの担当者によると「留学生は卒業時までに決まればいいという考えが主流で国内学生に比べて早く決めようという意識が薄い。大学院の修士1年生にとっては留学してすぐ就活になるため、早期化に対応しづらい」と指摘する。

■大手志向は国内学生以上

 国内の大学を卒業・修了して国内で就職する留学生は15年度で8367人。留学生全体の国内就職率は約35%にとどまる。政府は16年にまとめた「日本再興戦略」で、留学生の日本企業への就職率を5割に高める目標を明記した。ディスコが17年12月に実施した企業向け調査では18年度に「採用する予定」と答えたのは57.8%と、企業の採用意欲も高まっている。

 一方で17年度に採用できた実績のある企業は35.4%にとどまる。ディスコの担当者は「意欲は高くても、採用の現場では日本語能力や出身国・地域のバランスを考慮して結果的に採用を見送るケースも多い」と指摘する。中小企業などが留学生の採用意欲を高めても、留学生が国内学生より大手志向が強いため中小を受けていないことも影響しているようだ。

(小柳優太)

秋割実施中!日経Wプランが12月末までお得!

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報