2018年9月25日(火)

「ゲームがインターネット育てた」、慶大村井教授

科学&新技術
BP速報
2018/8/27 20:00
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日経クロステック

 慶応義塾大学の村井純環境情報学部教授は2018年8月24日、ゲーム開発者会議「CEDEC 2018」(コンピュータエンターテインメント協会主催)の基調講演で登壇した。

CEDEC 2018の基調講演に登壇した慶応義塾大学の村井純教授

CEDEC 2018の基調講演に登壇した慶応義塾大学の村井純教授

 満員の会場にいるゲーム開発者たちに向け、「インターネットやコンピュータの技術は加速度的に発達している。明日は今日より安くて速い環境が使えるほどのスピードで進歩している。その恩恵を全部使って、ドキドキする体験をできるゲームを作ってほしい」とエールを送った。

 村井教授は日本におけるインターネットの普及に携わってきた経緯を振り返るなかで、「ゲームの世界の人が求める要求水準は厳しく、えげつないものだった」と冗談交じりに語った。かつて村井教授の研究室にゲームユーザーから「インターネットの遅延のせいで、ゲームで負けてしまったじゃないか」と抗議があったという。

 通信経路を調査すると、確かに研究室が運営しているルーターを経由していた。遅延は200ミリ秒程度で、人間の認知のスピードや一般的な通信速度と比べても劣るものではなかったという。それでも村井教授は「遅延を気にするインターネットユーザーがついに現れたかと思うと嬉しかった」と振り返った。その後、様々な用途で遅延を低減する研究を進めたという。

 現在は医療用途で遅延低減に対する要求が厳しいという。遠隔地にいる医師が外科手術中にアドバイスをしたり、手術の経緯を遅滞なく記録したりするには低遅延ネットワークが必須だからだ。

 その医療用途で、ゲーム用のコントローラー(ゲームパッド)が使われるケースがあるという。「ゲームパッドはゲーム業界の大きな発明。どんな医師でもゲームパッドを持てば簡単にシステムを操作できる」(村井教授)。ゲーム業界の厳しい要件やユニークな技術が他業界のITシステムの発展に好影響を及ぼしているという考えを示した。

(日経 xTECH/日経コンピュータ 清嶋直樹)

[日経 xTECH 2018年8月24日掲載]

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