2019年5月21日(火)

チュニジア大統領、相続の男女平等法案提出へ
19年の選挙へ女性票取り込み狙いか イスラム勢力が反対

2018/8/26 18:53
保存
共有
印刷
その他

【カイロ=飛田雅則】イスラム教徒が大半の北アフリカのチュニジアが、男女平等の実現とイスラムの教えを巡り揺れている。カイドセブシ大統領は8月中旬、男女に平等の遺産相続の権利を保障する法案を10月に議会へ提出すると表明。宗教色の薄い世俗派は歓迎したが、男性に相続権の多くを認めるイスラム法に反するとしてイスラム保守派が反発している。

世俗派のカイドセブシ氏の周辺では1年ほど前から相続の男女平等を実現する法案作成の準備が続けられてきた。

法案作成の動きを知った保守派の指導者の一人であるファトヒ・アルユーニ氏は「イスラムの教えを破壊する行為を拒否する」と猛反発する。

それでもカイドセブシ氏が相続の平等を打ち出すのは「2019年に予定される大統領選と議会選で女性票を取り込むため」と女性作家のゾモルダ・ダルフーミ氏は指摘する。

チュニジアは11年に本格化した民主化運動「アラブの春」が始まった国だ。民主化の「成功例」とされるが、国内の安定には危うさがある。世俗派は「(アラブの春後に)政権を担ったイスラム政党が過激派の台頭を許した」と主張する。男女平等の相続を保障する法律が成立するかは流動的だが、国内の混乱の火ダネになる可能性がある。

チュニジアはアラブの春の前から女性の地位向上に取り組んできた。1950年代に一夫多妻制や、夫の一方的な決定による離婚を禁止した。14年に男女平等を明文化した新憲法を制定。17年には女性への暴力を防ぎ、処罰する法律を設けた。

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報