米大統領「合意近い」 メキシコとのNAFTA再交渉
車の関税ゼロ条件厳格化へ 日本車メーカー戦略見直しも

2018/8/26 18:36
保存
共有
印刷
その他

【ワシントン=鳳山太成】北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉で米国とメキシコが進める2国間協議について、トランプ米大統領は25日「まもなく合意する可能性がある」と表明した。トランプ氏は米国での自動車生産が増えるように見直そうとしている。域内の自動車貿易で関税をゼロにする条件を厳格化する方向で調整しており、これが実現すれば、日本メーカーも生産戦略の大きな見直しを迫られそうだ。

トランプ大統領は「米国とメキシコの関係はどんどん近づいている」「『大きな』貿易協定」がまもなく合意に達するとツイッターで明らかにした(24日、オハイオ州)=AP

トランプ大統領は「米国とメキシコの関係はどんどん近づいている」「『大きな』貿易協定」がまもなく合意に達するとツイッターで明らかにした(24日、オハイオ州)=AP

トランプ氏は25日「米国とメキシコの関係はどんどん近づいている」とツイッターに投稿。NAFTAを巡り「メキシコとの大きな貿易協定がまもなく合意する可能性がある」と明らかにした。

米国とメキシコは7月下旬から5週連続で閣僚会合を開催。現在もメキシコのグアハルド経済相らがワシントンで米通商代表部(USTR)のライトハイザー代表などと交渉を進めている。目標に定めた8月末の合意期限が近づいている。

NAFTAには米国、メキシコ、カナダの3カ国が参加。米国はメキシコと2国間で合意後、カナダを加えた協議で再交渉全体の妥結を目指す。

主な争点は、域内で輸出入した自動車に関税をかけない条件を定めた「原産地規則」。現在は62.5%以上の部材を域内で調達すれば関税がかからない。これを70~75%に引き上げる案が取り沙汰される。一定比率の鉄鋼やアルミニウムを域内から調達するよう求める条項も盛り込む見通し。

日本や中国などから部材を域内に持ち込みにくくして、部材メーカー進出を促す狙いがある。再交渉後にNAFTAが修正されれば、規則を順守できず、域内の移動でも関税(米国向け乗用車で2.5%)がかかる製品が増える可能性はある。

自動車の製造工程の40%を時給16ドル以上の地域で手掛けるよう義務付ける規則も俎上(そじょう)にのぼる。低賃金のメキシコは不利になる。

もう一つの大きな争点は、5年ごとに更新しなければ協定が自動失効する「サンセット条項」だ。同条項は米国が取り入れるよう求めていたが、メキシコとカナダは企業の投資判断が難しくなるとして強く反対していた。ロイター通信によると、12月に発足するメキシコ次期政権のセアデNAFTA首席交渉官は25日、米国が譲歩し同条項を取り下げたと主張した。

トランプ氏は11月の米議会中間選挙を控え、選挙公約に掲げたNAFTA再交渉の早期妥結に意欲をみせる。検討中の安全保障を理由にした自動車関税の引き上げを「脅し」に使い、メキシコに譲歩を迫る。メキシコ側は現政権で新協定に署名したいと考えている。

米議会の手続きから逆算すれば8月中に妥結しなければいけない。

NAFTAの見直しには最終的にカナダを含む3カ国の合意が必要。カナダのフリーランド外相は「米国とメキシコが合意後、カナダも再び協議に加わる」と話す。米国とカナダの間では自動車の原産地規則は大きな争点になっていないが、サンセット条項や農畜産品の扱いで対立が残る。カナダを加えた3カ国での最終決着は9月以降にずれ込む可能性がある。

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]