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さらば株式市場、世界の上場企業数減少に転じる
カネ余り時代 企業と市場の溝(上)

2018/8/28 16:00
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世界的な資金余剰を背景に、企業と市場の関係が変わりつつある。非公開化を選ぶ企業が増え、世界の上場企業数は減少に転じた。証券取引所は上場企業をつなぎとめようとルール緩和に走る。長期的に見れば、世界の上場企業数は実は2000年代半ばから伸び悩みが鮮明となっている。企業の市場離れの根幹には世界の低成長化と成長資金需要の縮小があり、上場企業数の減少は一過性ではない可能性がある。

世界銀行や大和総研などによると、世界の上場企業数は17年で約4万5000社と、過去最高だった15年から500社超減った。

米の半減補えず

主因は先進国だ。なかでも米国は、8000社を超え過去最高だった1996年からほぼ半減した。インドや中国は増えているが、欧米の減少を補いきれない。

上場企業数減少の背景には、短期志向の投資家や上場企業に課せられる厳しいルールを敬遠して自ら非公開化を選ぶ企業の存在がある。

英国・ロンドン、高級ブランド店が軒を連ねる「ニューボンドストリート」の一角で、宝飾品のTASAKIの欧州旗艦店の開店準備が進む。真珠だけでなく、時計や服飾雑貨をそろえて年内に開業する予定だ。

TASAKIは17年にMBO(経営陣が参加する買収)で非公開化。一時的に損益を悪化させかねないロンドンの旗艦店のような大型投資がしやすくなった。同社は「中長期の視点で成長戦略を進めるうえで非公開化は有効」と説明する。

「経営の自由度が増した」。16年に上場を廃止した婚礼大手、ノバレーゼの増山晃年取締役の表情は明るい。市場の目から解放されたことで、「不採算事業の見直しなど経営判断のスピードが上がった」という。

非公開化を断念した米テスラのイーロン・マスクCEO=ロイター

非公開化を断念した米テスラのイーロン・マスクCEO=ロイター

非公開化のメリットは個人など不特定多数の株主を排し、株価の変動に惑わされずに経営できる点だ。「短期の株価を気にする投資家が増え、中長期の成長を考えたい経営者との乖離(かいり)が大きくなっている」(カーライル・ジャパンの大塚博行マネージングディレクター)。非公開化を目指していたテスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)も非公開化の理由を「テスラをできるだけ短期的な考え方から解放する」と説明していた。

ファンドが資金

こうした動きを加速させているのがカネ余りだ。MBKパートナーズの加笠研一郎代表取締役は「低金利下でファンドには多額の資金が流入している」と解説する。「多額の資金を持つファンドの助けを借りることができれば、企業が資金調達のために上場にこだわる理由はなくなる」(野村資本市場研究所の岡田功太主任研究員)

ただ世界の上場企業数の伸び悩みは今に始まったわけではない。90年代には年間2000社を超えるようなペースで増えていた上場企業数は00年半ばから停滞が鮮明となった。

見逃せないのは、世界経済の大きな構造変化だ。00年代以降、先進国では1~2%台の成長が常態化した。ローレンス・サマーズ元米財務長官は「米国は金融危機以前から深刻な問題に直面していた」と世界的な需要不足による経済の「長期停滞論」(セキュラー・スタグネーション)を主張する。

産業構造の変化も著しい。工場建設に巨額の資本が必要な自動車や製鉄会社など重厚長大型産業の成長が鈍化。代わって「成長が期待されるのはフィンテックやシェアリングなどのサービス業が目立つ」(大和総研の太田珠美主任研究員)。IT・サービス企業にとって重要なのは画期的なアイデアを生み出す人材で、市場から成長に必要な資本を調達するニーズが乏しい。

企業の投資不足と資金余剰の背景には、こうした世界の成長率低下や産業構造の変化がある。

米国の10年物国債の利回りは10%を超えていた80年代から右肩下がりが鮮明だ。世界の上場企業数が減少に転じた理由が、リーマン・ショック後の金融緩和だけではないとすると、この流れは長期にわたって続く可能性がある。

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