2018年9月26日(水)

芝公園 都会と自然、歴史が共存
今昔まち話

コラム(社会)
2018/8/25 13:54
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 東京のシンボル、東京タワーのすぐ近くに広がる芝公園(東京・港)は1873年に誕生した日本で最も古い公園の一つだ。園内には古墳時代の史跡から江戸や明治期の名残を残す樹木など、日本の歴史が凝縮。平成の今は中心部がぽっかりと空いた、ドーナツ状の不思議な姿を残している。

東京タワーを望む芝公園(東京都港区)

芝公園内にある都内最大規模の芝丸山古墳(東京都港区)

 欧米流の近代化を急ぐ明治政府が出した通達「太政官布達」により公園となったのは、新政府発足から6年目。上野や浅草、深川、飛鳥山とともに公園に初指定された。

 1902年には運動器具が備えられ、今では都内の公園で当たり前のように見られる運動施設のはしりとなった。大正時代には1周200メートルのトラックに観覧席まである陸上競技場やテニス場、プールが設けられたという記録もある。

 当初は徳川将軍家とゆかりある増上寺を含む広大な敷地だったが、第2次大戦後に境内部分を除外。都立公園として中心部に増上寺や民間のホテルを取り囲むユニークな形が特徴となった。

 区画ごとに道路にも分断された計12.2ヘクタールの都立芝公園を、管理者の東京都公園協会の清水哲哉・芝公園サービスセンター長(55)と約1時間半かけて歩いて1周してみた。

 歴史の古い公園らしく、園内にクスノキやケヤキ、イチョウなどの大木が所々にある。元は新宿にあり、江戸時代に「銀世界」と称された数十本の梅は、今も「梅まつり」で来園者の目を楽しませている。

 都内初の運動施設は、都心部の貴重なレクリエーション・スポーツ拠点として野球場やテニス場、健康遊具の置かれた「体力測定健康歩道」などに残る。紅葉や滝が見どころの「もみじ谷」は改修中だが、2020年の東京五輪・パラリンピックの前にお披露目される見通しだ。

 区画一つ一つに特徴があり、清水センター長は「都会と自然、そして歴史が共存共栄を図る姿を楽しんでもらいたい」と話す。

 増上寺の南側には2006年に本格整備された1.3ヘクタールの区立芝公園もあり、東京タワーを望む芝生の広場が周辺の会社員や親子連れの憩いの場となっている。

(小沢一郎)

 芝丸山古墳 都立芝公園に残る東京都内最大級の前方後円墳。全長106メートル、後円部径約64メートル、前方部前端幅約40メートル。都の指定史跡で、5世紀代の築造とみられる。
 有数の豪族の墓と考えられるが、明治時代に調査が入った時には既に墳頂部が削られ、主体部の埋葬施設は失われていた。副葬品なども明らかになっていない。
 その後も西側などが削られるなど姿を大きく変えたが、都教育庁埋蔵文化財担当、平田健学芸員(38)は「都心で考古学を感じられる稀有(けう)な例だ」とする。

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