/

南ア、土地改革めぐり米トランプ氏が批判 白人農地の無償収用で

【カイロ=飛田雅則】南アフリカの土地改革が波紋を呼んでいる。同国では大半の土地を白人が所有しており、現政権は7月下旬、無償で土地を収用し黒人に配分する方針を発表した。トランプ米大統領はツイッターで22日、「ポンペオ国務長官に調査を指示した」と警戒感を表明。アパルトヘイト(人種隔離)時代からの複雑な問題でもあり、南アの政権は強く反発している。

トランプ氏の発言は、南アの土地収用と白人農場主への襲撃・殺害を特集した22日の米FOXニュースの報道がきっかけとされる。同氏は土地問題に加え、農場主の殺人事件も調査するように国務長官に命じた。

一方、南アは23日、ツイッターで「国家の分断や植民地時代を呼び起こそうとする狭い考え方を拒否する」と批判した。南アは同国にある米国大使館に、トランプ氏の発言について説明を求めている。

南アでは白人支配時代、黒人は土地取得が制限されていた。1994年の民主化後、与党アフリカ民族会議(ANC)は、白人の土地を黒人に配分する政策を開始。実際には進まず、大半の土地を白人が所有し続け、91年のアパルトヘイト廃止後も残る不平等の象徴とみられている。

ラマポーザ大統領は憲法を改正し、白人の土地を無償で収用できるようにする方針を発表。失業率は2017年で約27%と貧困に苦しむ黒人は多く、土地を渡すことで雇用や経済の拡大につながるとみているようだ。

さらに19年には総選挙を控えている。汚職や腐敗がまん延したズマ前政権時代に有効な経済政策を打ち出せなかったことで景気が低迷。与党ANCは批判を受ける一方、野党が支持者を拡大している。そのためラマポーザ政権側は、黒人有権者受けをねらったともみられている。

隣国ジンバブエでは00年代に、ムガベ前政権が白人の土地を強制収用し黒人に配分した。農地は荒廃。欧米から非難が集中し投資が引き揚げられ、経済破綻の引き金となった。

南アもジンバブエの失敗を繰り返しかねないと、国内からも懸念する声が出ている。実際に無償で土地を取り上げれば、海外からの投資の呼び込みで経済の回復をねらうラマポーザ氏に水を差す可能性もある。

すべての記事が読み放題
有料会員が初回1カ月無料

セレクション

トレンドウオッチ

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
新規会員登録ログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
新規会員登録 (無料)ログイン