ニコン、ミラーレス「共食い」覚悟 レンズ強み再参入

2018/8/23 23:20
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ニコンは23日、ミラーレスカメラの新製品を発表した。3年ぶりの再参入で、得意の一眼レフに加えミラーレスでもプロや愛好家向けの高級機に軸足を置く。女性や若者向けの入門機として普及したミラーレスが、上位機種も席巻し始めている。縮小するデジタルカメラ市場で唯一の成長分野といえるミラーレスで、ニコンは長年の蓄積があるレンズ技術を生かして先行するソニーに対抗する。

ニコンが発表した新型ミラーレスカメラ(23日午後、東京都品川区)

ニコンの牛田一雄社長は発表会で「フルサイズ」と呼ぶ大型の画像センサーを搭載した高級機をお披露目した。「光学技術と映像表現の知見の結晶だ」と強調。センサーは一眼レフでしか採用していない高性能品で価格も上がるが写真の画質は大幅に向上する。

上位機種の「ニコン Z7」の想定価格は44万円前後で9月下旬から販売する。一眼レフに比べ本体とレンズを軽量小型化した。

再参入にあたり優位性があるとみるレンズの技術力に再び焦点をあてて消費者に訴求する。ミラーレス専用の交換レンズで新シリーズを立ち上げる。100種類近い交換レンズをそろえる一眼レフ向けに比べ、より多くの光を取り込める大口径の新規格を開発した。

ニコンはミラーレスの市場を見誤り、後手に回っていた。入門機「ニコン1(ワン)」を手掛けていたが販売不振で15年以降は新製品を出していない。一眼レフの強いブランド力から需要の食い合いを恐れ「ミラーレスに及び腰だった」(同社幹部)。Zシリーズで「カニバリズムは避けられない」(映像事業担当の御給伸好常務執行役員)と自社の一眼レフの購入層がミラーレスに流れることも想定に入れる。市場が一眼レフからミラーレスに移行している実態を踏まえ、本格参入に踏み切る。

ライバル視するのはミラーレスでシェア4割を握るソニー。06年にコニカミノルタから買収した「α」シリーズの流れをくむソニーはいち早くミラーレスに経営資源を集め、開発を加速させた。

スマホ向け画像センサーで世界首位のソニーは、カメラでも高精細な写真が撮れる高級ミラーレスを前面に打ち出してきた。ニコンの新型ミラーレスはアダプターを使って一眼レフ用の交換レンズも転用できる仕組み。レンズ資産とブランド力でソニーに対抗する。

カメラ映像機器工業会(CIPA)によると17年は一眼レフの世界出荷台数が759万台と前年比1割減ったのに対しミラーレスは3割増の408万台。ミラーレスの出荷台数は18年、一眼レフを逆転するとの見方もある。エントリー機で裾野を広げてきたキヤノンも来月にも高級ミラーレスに参入する見通し。日本メーカーがほぼ100%を占める高級カメラ市場はミラーレスに各社が最新技術を集める傾向が鮮明になっている。

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