2018年11月22日(木)

茨城県が医学生向けローン 金融機関と連携

2018/8/24 0:30
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茨城県は県内の5金融機関と連携し、大学の医学部進学者向けの教育ローンを創設する。修学期間中の利子負担を実質ゼロとする。2019年度からは県立高校などに医学コースを設けることも決めた。人口10万人あたりの医師数が都道府県でワースト2位という深刻な医師不足を和らげるため、長い目で担い手の確保を目指す。

金融機関と連携し医学部進学を資金面で支える(22日、水戸市)

県と5金融機関が22日に協定を結んだ。新しいローンは6年間の学部在籍中に生じる利子負担を県が肩代わりする。県内高校を卒業後、19年度以降に県外を含む医学部に進む生徒の保護者が対象で、年間50人程度を募る。卒業後は10年以内に県内医療機関で2年間以上勤めるのが条件。使い道に制限は設けない。県によると全国でも珍しい取り組みという。

借入限度額は3000万円で、金利は各金融機関が設定する。常陽銀行と筑波銀行は9月1日から、ともに年1.950%で提供する。常陽銀は店頭金利より年2.025%、筑波銀は同1.550%優遇する。両行とも返済の据え置きは最長12年まで可能だ。

医学部生向けには修学資金の貸与なども実施する。臨床実習やセミナーなどの補助も合わせて、18年度予算に6億1580万円を計上している。

県は今年7月、県立高校と中高一貫の中等教育学校の計5校に医学コースを設けることを決めた。課外授業として、予備校と連携した面接・小論文対策などを受けられる。医学部に進む前に実際の医療現場を見学し、職業理解も深めてもらう。

県が医師不足対策で高校生に焦点を当てるのは「高校生の中で医学部志望者があまりいない」(大井川和彦知事)事情がある。一方「県出身者が(他県の大学の)医学部に進んだ場合(県内に)戻ってくる可能性が高いというデータがある」(同)ことも一因だ。茨城県内の保健所では、医師が足りないために複数の所長が2カ所で兼務しているなどの実態もある。地域差のない医療体制づくりは県にとって喫緊の課題といえる。

県は16年末時点で5513人だった医師数を、27年に7000人まで増やす計画を立てている。現役の医師を県内に誘致する短期的な対策と併せ県内医療を担う人材を長い目で育てる。

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