2018年9月21日(金)

米中貿易戦争に「注視」続く 第3弾に向け不安も

貿易摩擦
エレクトロニクス
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環境エネ・素材
2018/8/23 18:31
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 米中の貿易戦争が過熱するなかで、日本企業は両国の動向を注視している。プラスチックなどの化学品や半導体、電子部品、モーターなどに対象品目が広がるなか、現時点で目立った影響は出ていない。ただ米国はさらに幅広い品目を対象にした第3弾の追加関税措置もちらつかせており、日本企業にとって不安な日々が続きそうだ。

 23日に米国が中国に発動した追加関税279品目のうち、半数以上をプラスチック製品が占めた。日本企業が中国で生産し米国に輸出するケースは少なく、直接的な影響は小さい。ただ「化学産業はサプライチェーンが長く、影響がどう出てくるか読めない」と警戒感が広がる。

 中国の化学メーカーは海外輸出を前提に大規模工場を乱立してきた。米国に輸出できなくなった場合、安い中国産の化学品がアジア市場に流れる可能性もある。需給バランスが崩れ市況が悪化すれば、日本勢に悪影響をもたらしかねない。また射出成型機大手の東洋機械金属は「中国で需要が落ち込む可能性がある」と懸念する。

 通信向けの電子部品も対象となった。日本の電子部品メーカーの多くが中国に生産拠点を持つが、製品の出荷先はアジアが中心。米国への出荷は限定的だ。

 アルプス電気は複数の中国企業に産業機械などに使う電子部品を供給している。中には追加関税の対象となった製品もあり、米国に輸出する中国企業の生産に問題が起きれば間接的に影響を受ける可能性がある。アルプス電気の気賀洋一郎取締役も「大きな影響はないが、見通しは不透明だ。影響を想定し、中国の顧客とも話し合いを始めている」という。

 このほか、鉄道車両の関連部品も追加関税対象となった。米ニューヨーク市の地下鉄車両で約30%のシェアを持つ川崎重工業は、米国内にある2カ所の製造拠点で車両の原型から仕上げまでを現地で手掛ける。中国からの関連部品の輸入はなく「現時点で今回の関税制度の影響はなさそう」という。

 自動車や産業機械などに使われるモーターも関税対象となった。日本電産は「43カ国で生産し、世界中同じ品質で製品を送れる」としており、生産地域の分散で関税が出荷に及ぼす影響は軽微だとみている。

 すでに発動されている関税の影響を回避する動きも出ている。日本精工は米国で生産するベアリングなどの材料となる鋼材を中国から米国に輸出している。米国当局に関税対象からの適用除外を申請しており、米当局からの承認を待っている。申請が通れば遡及して返金されるとの説明を受けているが、内山俊弘社長は「(申請内容を精査する)作業にあたる人数が足りないのではないか」と語る。

 一方、新たな商機となりそうなケースもある。ゴムや化粧品、洗剤など幅広い製品に使うシリコーンの米国の輸入は、日本、ドイツ、中国からが多い。特に2018年1~6月期は、中国からの輸入量が前年同期比4倍超の8445万ドル(約92億円)に急増した。追加関税の対象となったことで、中国からの輸入量が減れば、日独勢にとって追い風になる可能性もある。

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