福島の農業関連ダム、相次ぎ放流停止 収穫量減懸念

2018/8/22 21:00
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今年夏の猛暑の影響を受け、福島県内の農業関連ダムが貯水量の低下から相次いで農業用水の放流を停止している。8~9月は最も水を必要とする時期の一つだけに、農業関係者からは収穫量の減少などを懸念する声が強まっている。

貯水量が減り湖底を見せる羽鳥ダム(20日、福島県天栄村)

須賀川市や鏡石町などに農業用水を供給する羽鳥ダム(天栄村)は20日、放水を停止。同ダムでは貯水率10%以下を放水停止の目安にしており、20日は9.5%まで下がったという。

同ダムの放水を管理する矢吹原土地改良区(矢吹町)の担当者は「放水停止は過去に例がない。今後の対応は降雨次第で、再開の見通しも立たない」と頭を悩ます。

喜多方市などに農業用水を放流する日中ダム(喜多方市)は21日、貯水率が21.2%まで低下し、放流を中止した。同ダムは水道水用や洪水調節用の貯水機能もあり、水道水用の確保が困難になる可能性があるとして、農業用水の放流をストップした。

ほかにも、会津美里町などに放水する新宮川ダム(会津美里町)が22日に貯水率が0.6%と厳しい状態を迎えており、管理担当者らが慎重に対応を検討している。

仙台管区気象台によると、8月21日までの90日間の東北6県の降雨量は、平年比70%以下という地点が、福島県に多く集まる傾向を見せているという。気象台の担当者は「5月以降の降雨量の少なさが、福島での顕著な渇水につながっている」と分析する。

農業用水は主に稲作に利用される。8月から9月にかけては根を湿らせてもみの粒を充実させる時期に入り、十分な取水が米作りの大きなポイントになる。

各ダムの放水管理者やJAの関係者のもとには「田んぼの土がかわいてひびわれてしまった」「一部の稲が枯れてしまった」「今年の収穫量はもう期待できない」などと心配の声が寄せられているという。

県内各地では、川の水をポンプでくみ上げたり、井戸を掘るなどの方法で稲作に使う水を確保している農業従事者もいるという。県や自治体は、ポンプなどの設備の購入代金やリース料などを補助する制度を設けるなどして、農業従事者の対策を支援していく。

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