2018年9月20日(木)

IAEA報告書 「北朝鮮の核開発は進展」
非核化に逆行の動き、次々と

北朝鮮
政治
朝鮮半島
2018/8/23 0:05
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 国際原子力機関(IAEA)は2017年8月以降の北朝鮮の核開発について年次報告書をまとめた。北朝鮮が「完全な非核化」を目指すと宣言した4月末の南北首脳会談の前後に一部施設が稼働していた形跡があると指摘し「核開発は継続し、さらに進展している」と懸念を示した。非核化に逆行する北朝鮮の動きが相次いでおり、米朝交渉にも影響する可能性がある。

 報告書は20日付で、天野之弥事務局長が9月に開かれるIAEAの年次総会に提出する。

 報告書によると、寧辺(ニョンビョン)の核施設では蒸気の排出や冷却水の排水といった、原子炉の稼働継続を示す動きがみられた。軽水炉の建設敷地でも、18年に入ってから、管理棟のような建物が新たに確認された。

 4月下旬から5月初旬にかけ、再処理施設の放射化学研究所で蒸気プラントが活動した形跡もあった。南北首脳会談では「(朝鮮半島の)完全な非核化」で合意していたものの、核関連活動が続いていたことを示す。

 北朝鮮は09年にIAEA査察官を国外退去にしており、報告書は「IAEAが有する知見は限定的で、核活動の進展とともに小さくなっている」として、実態把握が困難な点も強調した。

 北朝鮮を巡っては最近、核開発の放棄に反する動きが相次いで明らかになっている。米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは7月、米情報筋の話として、ウラン濃縮の作業が続いていると報じた。北朝鮮分析サイトの「38ノース」も6月、寧辺の核施設で改修作業が進んでいる衛星写真を公開した。

 米朝交渉が足踏みするなか、北朝鮮が時間稼ぎをしながら核開発を水面下で進めているとの危惧は米政権内でも高まっている。今回のIAEAの報告書もこうした懸念を裏付ける内容だ。

 ただ、北朝鮮問題を自らの外交成果として誇るトランプ大統領は、対話路線そのものを転換する姿勢は見せていない。20日のロイター通信のインタビューに対し、北朝鮮が具体的な措置をとっているとの考えを示し、金正恩(キム・ジョンウン)委員長との再会談の可能性を「最も高い」などと語った。9月の国連総会の場で実現するとの見方もある。

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