文科省、教室のエアコン導入など施設整備費2400億円要求へ
文部科学省は22日、2019年度予算の概算要求で、公立学校の施設整備に18年度当初予算の3.5倍にあたる約2400億円を盛り込む方針を固めた。教室へのエアコン導入や危険なブロック塀の撤去・改修を促す。概算要求の全体は18年度予算比11.8%増の5兆9351億円となる見込み。

今夏は全国各地で最高気温の記録を更新する地点が相次いだ。学校で熱中症になる子供も多く、愛知県豊田市では校外学習から学校に戻った男児が死亡する事故も発生している。文科省は8月上旬、各教育委員会に対し、夏休みの延長や臨時休業日の設定などを検討するよう通知を出した。

公立の小中学校の普通教室への空調設置率は全国平均で49.6%にとどまっている。担当者は「これまで建物の耐震化などに重点が置かれてきたが、猛暑対策は急務になっている」と話し、エアコン導入の必要性を強調した。
学校は災害時には避難所としても使われる。空調に加え、高齢者らも使いやすいようにトイレを洋式化するなど、災害時の利用を想定した対策も進める。
一方、6月の大阪北部地震では小学校のブロック塀が倒壊し、小学4年の女児が死亡した。その後の同省の点検で、建築基準法に適合しないなど、危険なブロック塀が全国の約1万2千校にあることが判明。このうち公立の小中学校は約7700校を占めており、国としての対策が課題になっている。
同省は公立学校が施設の安全対策や環境改善をする場合、自治体に対して費用の3分の1を補助している。塀の改修、エアコンの導入を希望する全ての学校が施設整備を実現できるよう十分な総額を確保する考えだ。私立学校の施設整備費についても拡充する方針。