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障害者雇用問題、地方で公表相次ぐ 国は後手

障害者雇用の水増しが地方自治体で相次ぎ見つかっている。千葉県や栃木県は22日、水増しがあったと発表した。障害者手帳などを持っていない職員を加えていた。一方、中央省庁では千人規模での水増しをしていた可能性が高く、発覚から1週間近くたっても公表できていない状態。対応が後手に回っている。

障害者雇用促進法では企業や公的機関に一定割合の障害者を雇うよう義務づけている。国や自治体の法定雇用率は2.5%だ。厚生労働省のガイドラインは障害者手帳などの確認を算定条件にしている。千葉県は手帳の有無を確認しないまま職員を外見などで障害者と判断し、雇用率に加えていた。栃木県教育委員会は17年度に手帳を持っていない39人の職員を障害者としていた。39人のうち大半がうつなどの精神疾患から6カ月以上の休職を経て復職した職員だったという。

都道府県にとどまらず、岡山市や山形市、宇都宮市といった自治体も水増し雇用の実態を公表している。岡山市教育委員会は障害者雇用率を2.40%から1.68%に修正したと発表。計22人について、障害者手帳を確認できないまま本人の申告や所属長への聞き取りなどから算入したという。

一方、中央省庁では野田聖子総務相が水増しの事実を認めた。法務省や財務省などでも疑惑が浮上。糖尿病というだけで障害者雇用に算入するなどずさんな例があるとみられる。厚生労働省が月内にも各省庁の調査結果を公表する方向で作業を進めている。22日の労働政策審議会障害者雇用分科会で、分科会長の阿部正浩・中央大教授は「非常に残念。二度と起こらないよう再発防止策を考えてほしい」と語った。

元厚労官僚で神戸学院大の中野雅至教授は「水増しは意図的なものではなく制度上の欠陥から起こったものではないか」と指摘。障害者雇用促進法は法定の雇用率に届かなかった場合、企業に納付金の支払い義務があるが省庁にはない。「ペナルティーがあった場合は回避しようと操作する動きも出てくるだろうが、ない場合は水増しするメリットが少ない」と分析し「順守への意識が長い間希薄になっていたことが原因」とみている。

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