2019年3月20日(水)

老舗アパレル、オーダーメードでゾゾ対抗

2018/8/22 15:20
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ファッション業界で衣料品通販サイト「ゾゾタウン」のスタートトゥデイに対抗するようにオーダーメードサービスを取り入れる動きが広がっている。オンワードホールンディングス子会社は22日、価格を6900円(税別)に抑え納期を短縮したオーダーワイシャツを発売した。スタートトゥデイはネット上で注文が完結するプライベートブランド(PB)のスーツやワイシャツを投入しており、老舗の大手アパレルも商品群を広げて後を追う。

オンワードHDの子会社は価格を抑えたオーダーメードのワイシャツを発売する

オンワードHDの子会社は婦人向けオーダースーツのネット注文を受け付ける

オンワードパーソナルスタイル(東京・港)はオーダースーツ店「カシヤマ ザ・スマートテーラー」で紳士向けのオーダーワイシャツを発売する。従来のオーダースーツだと初めて注文する際は来店しての採寸や注文が必要だったが、ワイシャツは1枚目からインターネット上で購入できるようにした。

デザインは3種類の生地と100色などを自由に組み合わせられる。動きやすさを意識した形で、かけやすい厚さに加工を施した高瀬貝を用いたほか、3ミリメートルのステッチをあしらうなど高級感を押し出す。全て国内生産にこだわり、注文から約1週間で顧客の手に届く。

男性だけでなく、女性向けのサービスも充実する。男性向けのオーダーメードスーツに限っていた2着目からのネット販売を女性向けにも広げる。これまでは店舗やショールームのみで取り扱っていた。

「カシヤマ ザ・スマートテーラー」は商品を工場から利用者に直接発送するなどして、従来は3週間ほどだった納期を最短1週間にしたのが特徴だ。スーツの価格は3万円からに抑え、若い世代の購入を見込む。オンワードHDの保元道宣社長は「スーツ以外の商品にも広げていく」と意気込む。

三陽商会は主力ブランド「ポール・スチュアート」で婦人スーツのパターンオーダーを注文できる対象店舗を8月から広げた。これまで一部の店舗で対応していたが、全38店舗で取り扱う。バストやウエストなど横幅のサイズ調整にも対応する。従来は着丈など縦方向しかサイズを変えらなかったが、より体形にぴったり合うスーツを提供できる。女性管理職の増加を追い風に、婦人向けスーツを拡充する。

レナウンは紳士服ブランド「ダーバン」でパターンオーダーに力を入れる。ダーバン初の直営店(東京・千代田)で婦人向けスーツの取り扱い始めた。中心価格帯は7万9000~16万円程度と紳士向けと同程度だ。

老舗アパレルがオーダースーツの品ぞろえ拡充を急ぐのは、10~20代の若年層を主力の顧客に抱えるスタートトゥデイが、大手アパレルの領域に踏み込んできたためだ。 スタートトゥデイが7月に予約を開始したビジネススーツは、消費者に無料配布する自動採寸用ボディースーツ「ゾゾスーツ」を使って体形を計測し、集めた3D(3次元)データから肩の傾きや体形の左右差を読み取り設計する。ビジネススーツの価格は3万9900円で、ドレスシャツは4900円と手ごろだ。

一方で、オーダーのビジネススーツ市場は老舗の大手アパレルや百貨店が得意だと自負する分野。各社は実店舗を持ち、より細かな採寸や要望に応えられる強みなどスタートトゥデイとの違いを明確にしたい考えだ。

2005年からはじまった軽装運動「クールビズ」の浸透で、仕事着のカジュアル化が進んでいる。単価の高いスーツやネクタイ市場は過去10年間で3割縮小した。だがゾゾのオーダースーツの登場をきっかけに、アパレル大手がサービスを充実。消費者の心をつかめば、再びビジネススーツに光が当たる可能性もある。

(高橋彩、花井悠希)

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