2019年1月19日(土)

スー・チー氏、ミャンマーの民主化へ「憲法改正が必要」と講演

2018/8/21 21:50
保存
共有
印刷
その他

【シンガポール=中野貴司】ミャンマーのアウン・サン・スー・チー国家顧問は21日、訪問先のシンガポールで講演し「完全な民主主義社会を実現するには憲法の一部を改正しなければならない」と述べた。旧軍事政権が制定し、国軍に議会議席の25%を占める軍人枠の指名権を認めている現行憲法改正の必要性を指摘した。

イスラム系少数民族ロヒンギャの問題に関しては、多くの難民が逃れているバングラデシュと「8月に入り、閣僚級で帰還の実現を加速することで合意した」と進展を強調した。だが具体的な帰還日程の設定は「2国間で決める問題で、我々だけで決めることはできない」と述べた。

ミャンマーは8月8日、スー・チー氏が民主化運動に身を投じる原点となった1988年の大規模な反体制デモから30年の節目を迎えた。スー・チー氏はこの30年の変化について「独裁政権から民主政治への移行はなお不完全だ」と指摘。その一例として、軍人枠の指名権を挙げ「我々は75%の権利しか持っていないが、100%の責任を負っている」と、軍が強い権力をなお維持する現状を説明した。

「憲法改正は国民を傷つけないよう、交渉を通じて徐々に実現しなければならない」とも述べ、多様な民族の理解を得ながら改革を進める難しさをにじませた。

スー・チー氏は民主化運動30年の記念式典を欠席するなど、国内では軍との関係維持に腐心する姿勢も目立っている。ただ、国外での講演だったためか、この日は憲法改正の必要性などを冗舌に語った。質疑応答で、学生から軍との関係を問われ、「実は軍との関係は悪くないのよ」と冗談めかして答える場面もあった。

講演では、ロヒンギャ問題の諮問委員会のトップを務め、18日に死去したコフィ・アナン元国連事務総長にも触れた。委員会がまとめた勧告の意義を振り返った上で「彼は時々、電話で相談に乗って励ましてくれた」と述べ、故人をしのんだ。

日経電子版が2月末まで無料!いつでもキャンセルOK!
お申し込みは1/31まで

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報