2019年8月21日(水)

長野県立武道館が着工 利用拡大策など課題も

2018/8/22 0:00
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長野県と県教育委員会は21日、佐久市で県立武道館の起工式を開いた。学校教育で武道が必修となり、2027年には国民体育大会が県内で開催される中、県内唯一の武道振興施設として期待を集める。18年に開校した県立大学に続く大型公共事業を批判する声も挙がっているが、県は多目的施設として活用することで利用拡大への道筋を付けたい考えだ。

初くわを入れる阿部知事(左から2人目)ら

「他には例のない全国に誇れるオンリーワンの施設となるように努力していきたい」。佐久市猿久保の工事現場で開かれた起工式のあいさつで阿部守一知事はこう話した。

武道館の設計は環境デザイン研究所(東京・港)と宮本忠長建築設計事務所(長野市)が担当。同研究所の仙田満会長は自身が設計したプロ野球広島の本拠地マツダスタジアムを引き合いに出しながら「スポーツは地域を一体化し、より大きな力を与える。カープは新球場で強くなったといわれる。多くの県民に愛されることを願う」と話した。

背後には浅間山を望めるよう地上2階建てに抑える。延べ床面積は1万2382平方メートルで、主道場は柔道・剣道で最大6面が取れる大きさだ。20年3月の供用開始を目指す。

武道館は東信地域で最も大きい最大3000席を持つ多目的施設としての側面も持つ。既に北信・中信・南信の3地域には県の文化会館があるが、東信では上田市のサントミューゼが1500席ほどの収容数を持つのが最大だった。

県教委によると長野県以外に都道府県立の武道館を持たないのは京都府、福島県、新潟県の3府県。このうち京都と福島は市有など武道振興の中核拠点となる代替施設があり、新潟でも19年12月のオープン予定で武道館を建設中。県教委の担当者は「新潟に続いて長野もラストランナーとして走り始めた」と話す。

建設費は57億円に上る。土地を無償貸与した佐久市が建設費のうち12億5千万円を拠出する予定であることを差し引いても、県拠出分で44億円超の大型事業だ。5日投開票した県知事選の論戦では対抗馬の金井忠一氏が大型事業への批判を展開した。阿部知事はこうした批判に対し「通常債残高は減らしてきた。必要な事業を着実に実行することが必要だ」と反論している。

今後の焦点となるのは大型の大会やコンサートの誘致がどの程度実現できるかだ。阿部知事は「北陸新幹線沿線であるため県外からの集客という点では優位性がある」と自信を見せるが、誘致活動の強化が求められそうだ。

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