2019年5月22日(水)

汚職まみれのトランプ政権(The Economist)

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2018/8/22 2:00
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■通常なら注目集めるスキャンダルが大量に

独立機関である米政府倫理局(OGE)は、ロス氏が売却すると約束していた株を空売りしていたほか、「証言が省略されたり不正確だったりする」として、倫理契約に違反していると既に指摘。サウスダコタ州選出のジョン・スーン共和党上院議員は民主党議員らと共に、ロス氏の資産調査を呼びかけている。ロス氏は7月、「倫理契約で義務付けられている資産売却を不注意で完了していなかった」と認め、株式を売り、その売却代金で米国債を買うと約束した。同氏は以前、ロシアのプーチン大統領の義理の息子が関与しているロシアの船舶会社への投資を隠していたとの疑惑もかけられている。

8日には、ニューヨーク州選出のクリス・コリンズ下院議員が逮捕された。同氏は、2016年の大統領選で最も早くトランプ氏への支持を表明した議員だ。連邦検察当局によると、同氏が取締役を務め、大株主の一人でもあるバイオ企業が治験に失敗したことを息子にひそかに知らせたという。同じく起訴された息子は、所有する同社の株を売却した上で、別の4人にその情報を与えたとされる。親子は2人とも無罪を主張しているが、コリンズ氏は再選に向けた活動を停止し、出馬の取り下げに動いている。

他にも、通常ならもっと注目を集めるはずの小さなスキャンダルが大量の雑音のように鳴り響いている。ブレンダ・フィッツジェラルド氏は、たばこ会社の株取引をしていたことが発覚し、1月末に疾病対策センター(CDC)所長を辞任。カーソン住宅都市開発長官は、自分のオフィス用に公費で3万ドル強のダイニングセットを購入していたことが判明している。

ジンキ内務長官は、公費でプライベートジェットに乗り、モンタナ州の銃器メーカーの株を保有していたことを開示せず、同社の幹部やロビイストと会合していた。内務省の報道官によると、株の所有は開示義務が生じる基準額を下回っており、会合は表敬訪問にすぎなかったという。一般客と飛行機に乗りたくないという政府関係者は後を絶たず、ムニューシン財務長官は昨年、軍用機を8回使い100万ドル近い税金を費やした。

さらに各省庁でポストを得たトランプ家の取り巻きがいる。大統領の次男エリック氏の結婚式のプランナーだった人物は現在、住宅都市開発省のニューヨーク事務所の責任者だ。非営利の調査報道機関「プロパブリカ」は7日、大統領がフロリダ州に所有する高級会員制別荘「マール・ア・ラーゴ」の会員3人が、退役軍人省で過度の影響力を行使していると報じた。3人とも、政府と軍のどちらにも勤務した経験がないという。

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