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飲料メーカー、猛暑でも株価低迷 物流・生産費に懸念

飲料メーカーの株価が振るわない。コカ・コーラボトラーズジャパンホールディングスは7月以降3割近く下げ、サントリー食品インターナショナルも7%安い。猛暑を背景に7月の清涼飲料の出荷量は過去最高になったもよう。ただ急増した需要への対応や西日本豪雨の影響もあり、物流や生産コストがかさんでいる。

7月の清涼飲料出荷量は過去最高となったもよう(東京都目黒区の中目黒本店東急ストア)

民間調査会社の飲料総研(東京・新宿)のまとめによると、7月に清涼飲料の出荷量は2億2500万ケースと過去最高となったようだ。

サントリBFは飲料水「天然水」や緑茶「伊右衛門」などの7~8月の生産量を当初計画より15%増やした。キリンホールディングス傘下のキリンビバレッジは炭酸飲料「キリンレモン」を9割、清涼飲料の「ソルティライチ」を2割増産しているという。

需要の伸びはメーカーにとってチャンスのはずだが、今夏は通常の生産・配送体制では追い付かない。まず生産が増え倉庫の保管コストが膨らんでいる。

さらに西日本豪雨の被害で鉄道が寸断し、トラックが代替輸送に追われている。サントリBFの山崎雄嗣取締役は「確保が困難になっている」という。コカBJHも「倉庫や輸送手段の手当が思惑通りに運ばなかった」(吉松民雄社長)。なかには「営業担当者が自分でレンタカーを借りて運ぶこともある」(飲料業界の関係者)ようだ。

さらに西日本豪雨でコカBJHが被害を受けた広島県三原市の工場の操業を停止した影響が、業界全体に広がっている。

同社の出荷制限を受けてスーパーなどは別の飲料メーカーへの代替注文を増やしており、注文を受けたメーカーが外部に製造を委託して対応している。サントリBFはペットボトル入りコーヒー「クラフトボス」や茶系飲料「伊右衛門」などの一部を外部に任せた。

ある受託生産大手の幹部によると「最近の商品は風味に特色を出そうとレシピが複雑なものが多い」。飲料メーカーにコストを転嫁することもあるという。

サントリBFの国内事業における18年1~6月期の営業利益は前年同期比24%減の189億円だった。物流費の増加や好採算商品の不振により原価が前年同月と比べ94億円増加した。18年12月期の見通しは据え置いたものの、通期でみても原価は期初想定を上回る見通しだ。コカBJHは豪雨の影響が尾を引くことから、20年12月期に売上高営業利益率を6%とする「中期計画の達成は厳しい」(野村証券の藤原悟史氏)との声が聞こえる。

ダイドーグループホールディングスカゴメの株価は8月中旬以降に年初来安値を更新した。両社ともに物流コストの上昇に頭を悩ます。DyDoはトルコで飲料の製造・販売を手掛けており、リラ安を嫌気した投資家が売りを膨らませたことも追い打ちをかけている。

コカBJHは生産を主力の飲料水「いろはす」や緑茶「綾鷹」などに絞り、キリンビバも人気商品の供給を優先させて夏場を乗り切る考えだ。同社では中期的に「サプライチェーンマネジメント全体の再検討を進める」という。6月から静岡県と仙台市などを結ぶ定期航路でアサヒ飲料と共同輸送を始めており、同様の取り組みを他の地域や別のメーカーにも広げることを検討する。

各社は缶コーヒーや機能性飲料などで利益率の高い商品を投入し採算改善に取り組む考え。ただこうした商品はすでに競争がはげしく「コスト増を吸収できるかは不透明」(国内証券)との声も聞こえている。

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