2018年9月23日(日)

台湾UMC、中国で子会社上場へ 人材流出防ぐ

米中衝突
エレクトロニクス
中国・台湾
アジアBiz
2018/8/20 20:53
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 【新北(台湾北部)=伊原健作】半導体受託生産世界3位、台湾の聯華電子(UMC)は20日に臨時株主総会を開き、子会社の中国での新規上場案が株主に承認された。上場に伴う公募増資で25億元(約400億円)を調達するが、真の狙いは従業員に株式を付与するストックオプションによる人材確保にもある。政府の後押しを受ける中国勢による技術者の引き抜きに対抗する。

台湾・新竹にあるUMCの工場(20日)

 「大陸(中国)で好待遇による引き抜きが増え人材の流出防止が難しくなっている」。新竹市内で開いた株主総会で洪嘉聡・董事長は中国上場が不可欠だと強調した。

 中国蘇州の受託生産子会社「和艦芯片製造」を中心に設計などを手掛ける複数の現地子会社を再編して上海市場に上場させる。速やかに申請するが日程は中国の対応次第となる。調達資金は増産投資に振り向ける。「現地の約2千人の従業員にストックオプションなどの奨励策も可能になる」(同社幹部)という。

 ハイテク分野の覇権を巡る米中の争いが激化し中国は産業革新のカギを握る半導体の調達を米国メーカーに依存する状況に危機感を強める。技術の取り込みに向け、結びつきの深い台湾企業の人材は格好の標的だ。台湾半導体大手首脳は「台湾の2~3倍の給与を提示する中国からの引き抜きが増えている」と話す。

 ストックオプションなら資金負担が要らず、給与水準で中国勢と競り合う必要が薄くなる。従業員は業績拡大で株価が上昇すれば見返りが膨らむメリットがある。台湾では有能なIT(情報技術)人材を確保するうえで不可欠となっている。

 中国政府は台湾統一工作の一環として台湾企業の上場誘致を進めているとされる。蔡英文政権は中国への技術流出を警戒するが、企業は大市場である中国で政府の意向に沿うことも欠かせない。一方、UMCの株主総会では一部株主から、米中貿易摩擦が激化する中で中国に依存しすぎるリスクを懸念する声も出た。

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