2019年2月20日(水)

iPSで血小板輸血 京大、1年以内に臨床研究

2018/8/20 20:50
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京都大学は20日、iPS細胞を使った血小板を特殊な再生不良性貧血患者に投与する臨床研究計画を国に申請したことに関する記者会見を開いた。研究開発の責任者である江藤浩之・京大iPS細胞研究所教授、実施責任医師である高折晃史・京大病院血液内科長、稲垣暢也・京大病院長が出席した。主な質疑応答は以下の通り。

――人工血液の輸血は世界初ですか。

「人に対する使用では初めてとなる」

――将来、輸血用の血液をすべてiPS細胞から作れるようになるのですか。

「技術的な可能性はあるが、日本赤十字社の献血体制がすでにあり、これを全て置き換えるものとは思っていない。我々の提案する新しい医療はもう一つの選択肢だ。血液が足りなくなるという不安を払拭し、疾患ごとに献血がよいのか、我々の医療がよいのかなど、科学的な基準に基づいて議論できるようになると期待している」

――対象とする患者は1人。なぜですか。

「特殊なケースの患者が対象。こういう人はまれだ。同じタイプは国内に何人いるのか正確なデータはない」

――開始時期は。

「厚生労働省の審議会通過の時期にもよるが、1年以内に実施したい」

――iPS細胞は何から作るのですか。

「患者の末梢血から作る。京大のiPS細胞ストックと同じ方法だ。品質保証の観点から製造方法は統一した方がよいという科学的な理由からだ」

――検証も含めてどの程度の期間が要るのですか。

「通常の血小板輸血の基準は10単位。今回は0.5単位、1.5単位、5単位の順で3回投与し、安全性を評価する。1回目の投与に1カ月、評価に1カ月かかる。3回目の投与が開始から5カ月後。そこから1年間、経過を観察する。0.5、1.5単位では治療効果はないが、5単位ならある程度の効果があると考えている」

――考えられる副作用は何ですか。

「輸血で予想される発熱などのアレルギー反応だ。免疫による副作用は出ないと考えているが、iPS細胞から作った血小板で、予期しない副作用が起こる可能性は否定できない。血小板は核がないので増殖しない。(血小板を作る)巨核球が混ざっていた場合でも、放射線照射で生きた細胞を殺すので、増殖性はないと考えている」

――1例で安全性の確認ができるのですか。

「有意差の判定はできない。アレルギー反応など次の臨床試験(治験)や臨床研究に生かせるデータは得られる」

――今回のコストは。

「ウイルスが混入していないかの確認にお金がかかる。それを含めて5000万円だ」

――今回と同様の病気の別の患者が出てきた場合は。

「特殊な患者がいればやるというのは考え方の一つだ」

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