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爆薬TATP製造疑い 名古屋の大学生「公園で爆発」

(更新)

テロで使用されたこともある高性能爆薬「過酸化アセトン(TATP)」を製造したとして、愛知県警捜査1課は20日、名古屋市緑区の大学1年の少年(19)を爆発物取締罰則違反(製造・所持)などの疑いで逮捕した。同課によると、少年は3月に公園で爆発させたと話しており、「爆弾を造ってその威力を確かめたかった」と供述しているという。

3月に大学生が爆薬「TATP」を爆発させたとみられる公園(20日、名古屋市名東区)

TATPは2015年のパリ同時テロや16年のベルギー連続テロで使われたとされ、市販の薬品などで製造可能という。同課は少年が製造方法を知った経緯や、原材料の入手方法を調べる。

逮捕容疑は高校生だった16年12月、当時住んでいた同市名東区のマンションの自室で、約57グラムのTATPを製造。18年3月19日午後8時半ごろ、同区の公園に持ち込み、起爆剤に火を付けた疑い。この公園で爆発させたとみられる。

威力大きい「ETN」も違法製造か

逮捕容疑はこのほか、17年2月に同じ部屋でTATPより威力が大きい爆薬「四硝酸エリスリトール(ETN)」を製造するなどした疑い。捜査1課によると、日本国内でETNの違法な製造や所持が確認されたのは初めて。

同課によると、3月19日午後8時45分ごろ、名東区の公園で「火柱が上がっている」「雷が落ちたような音がした」と近くの住人や通行人から110番通報や目撃情報があった。地面には黒く焦げたような痕があり、TATPを運ぶ際に使ったとみられる容器や爆発物の破片が残っていた。けが人はなかった。

同課は周辺の聞き込みや防犯カメラの映像などから少年を特定し、4月に自宅を家宅捜索した。少年の部屋からは爆薬の製造に必要なガラス容器や薬品のほか、約9グラムのETNが見つかった。

名東区の公園近くに住む女性(56)は3月に大きな爆発音を聞いた。「『ドッカーン』と地面からわき上がるような音がした」と振り返る。付近の住人は驚き、そろって家から飛び出してきた。女性は「爆発が怖くて、夜に一人で外を歩くのを避けていた。なぜこんなことをするのか分からない」と憤った。

TATP摘発相次ぐ、専門家「誤爆の危険も」

「過酸化アセトン(TATP)」はわずかな衝撃を加えるだけで起爆し、殺傷力の高い爆薬として知られる。マニキュアの除光液に使われる「アセトン」など市販の薬品が原材料で、製造法を紹介する海外サイトもある。興味本位でつくり、摘発される例は後を絶たない。

警視庁は2017年、TATPを製造する様子を動画サイトに投稿した愛知県一宮市の男を書類送検した。男は「誰かが動画を見て製造し、爆発させるのを期待した」と話したという。16年にも、別の事件で岐阜県警に逮捕された男の自宅からTATPが見つかった。

テロ対策に詳しい公共政策調査会の板橋功研究センター長は「製造法を載せたサイトは適宜削除されているが、SNS(交流サイト)や闇サイトで情報が流れている可能性もある」と指摘。「意図せず爆発し、大きな被害を生む危険もある。爆薬を持つことがいかに危ういことか、認識すべきだ」と話している。

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