2018年11月21日(水)

台湾総統、NASA訪問 米の厚遇に中国反発も

2018/8/20 10:04
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【台北=伊原健作】台湾の総統府は20日、外遊中の蔡英文総統が米現地時間19日午前、米テキサス州ヒューストンの米航空宇宙局(NASA)ジョンソン宇宙センターを訪問したと発表した。台湾メディアによると、台湾の総統が米本土の政府関連機関を直接訪れるのは初めて。米国が台湾との親密さを見せつけ、中国をけん制している可能性がある。中国は反発しそうだ。

米ヒューストンのジョンソン宇宙センターで説明を受ける台湾の蔡英文総統(19日、蔡氏のフェイスブックより)

蔡氏は12~20日にかけて中南米を歴訪し、19日には帰路の経由地であるヒューストンに滞在。同センター内にあるミッションコントロールセンターなどを視察した。

蔡氏は自身のフェイスブックに訪問について投稿した。現場で説明に当たった宇宙飛行士から「宇宙から美しい台湾の明かりが見えたと聞いた」と書き込んだ。宇宙センター訪問は政治色は濃くないものの、米政府が従来の慣例を破る訪問を認めたのは間違いない。

今回の外遊では蔡氏に対する米の厚遇ぶりが鮮明になっている。蔡氏は13日、往路でロサンゼルスに立ち寄った際にレーガン大統領図書館を訪問。レーガン氏の米台関係への貢献をたたえる談話を発表した。台湾の総統が米本土の公開の場で談話を出すのは異例。従来、米国は中国への配慮から台湾の総統が領内を経由する際にはメディア対応などを厳しく規制していた。

米は通商やアジアの安全保障を巡って中国との摩擦が激化しており、台湾問題を中国をけん制するための外交カードとして活用する場面が増えている。3月には台湾とのあらゆるレベルの高官の往来を促進する「台湾旅行法」を成立させた。同法が成立して以降、蔡氏が米を訪れるのは初めてだった。

蔡政権は中国が掲げる、中国大陸と台湾が一つの国に属するという「一つの中国」原則の承認を拒み、中国は圧力を強めている。米台の接近は中国の神経を逆なでしている。蔡氏が12日、台湾資本のコーヒーチェーン「85℃」のロサンゼルスの店舗に立ち寄ったところ、中国のネット上で「台湾独立を支援する企業だ」との批判が殺到。同社の中国店舗に不買運動が呼びかけられる騒ぎになった。

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