2018年9月22日(土)

カタール・トルコ両中銀が通貨協定 リラ安定狙う

トルコショック
中東・アフリカ
2018/8/20 9:39
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 【イスタンブール=飛田雅則】カタールの中央銀行は19日、トルコの中銀と17日に通貨スワップ協定を結んだと発表した。米国との対立が深まる中、トルコの通貨リラが対ドルで下落する懸念が広がっている。ドル建て債務を抱えるトルコ企業も多く、通貨安が同国経済に打撃を与える恐れが出ている。トルコは関係が深いカタールと協定を結ぶことで、リラの安定を狙う。

カタールのタミム首長(左)と会談するトルコのエルドアン大統領(15日、トルコ・アンカラ)=トルコ大統領府提供・ロイター

カタールのタミム首長(左)と会談するトルコのエルドアン大統領(15日、トルコ・アンカラ)=トルコ大統領府提供・ロイター

 カタール中銀のホームページによると、17日に両中銀の総裁がカタールの首都ドーハで会談し合意した。スワップ協定により両国の通貨取引を容易にし、市場の流動性や金融の安定を図る。今回の協定の期間や金額などは明らかにしていない。

 中銀は自国通貨が下落した際、外貨を売り、自国通貨を買うといった市場介入をすることで為替レートの安定を図る。一般的に通貨スワップがあれば、十分な外貨準備がなくても外貨を売り自国通貨を防衛することができる。カタールはスワップ協定により、トルコの通貨防衛を支援する狙いとみられる。

 トルコは巨額の経常赤字を抱え、高インフレ下にある。同国在住の米国人牧師問題を巡る米との関係悪化も加わり、金融市場はリラ売りを繰り返している。13日には一時1ドル=7.2リラ台と過去最安値まで下落した。

 その後、トルコ中銀の事実上の金融引き締め策や、リラの空売り抑制を狙った銀行監督当局によるスワップ取引制限の導入で、5リラ台まで持ち直した。ただ今回の通貨スワップ協定がリラ安定にどれだけ寄与するのか、金融市場の先行きは予断を許さない状況が続きそうだ。

 カタールはスワップ協定に先立ち、タミム首長が15日にトルコのエルドアン大統領と会談し、150億ドル(約1兆6500億円)の直接投資を表明した。ロイター通信は資金は通貨や金融機関の安定に使われるとする金融当局者の見方を伝えた。

 2017年6月にサウジアラビアやアラブ首長国連邦(UAE)など4カ国がイランの支援を受けるカタールと断交した以降も、トルコはカタールへの支援を続けてきた。トルコは食料など物資を運び込んだほか、駐留部隊も増派するなど経済封鎖の効果を骨抜きにした。トルコが苦境にある中、今度はカタールが支援の手を差し伸べた形だ。

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