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八重樫と清水、消えぬベテラン魂 世界挑戦へ前進

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2018/8/22 6:30
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気分が沈んで練習に身が入らない時期もあったが、「勝つことで、頑張ってますよというメッセージを届けられたらと思っていた」。保持する東洋太平洋(OPBF)フェザー級王座の3度目の防衛戦。中堅どころの河村真吾(堺東ミツキ)に対し、力の差をしかとみせた。

「相手のパンチが見えていた」

見た目には手打ちで力感がないが、そのパンチ力は一級品だ。河村の顔面が序盤から早くも腫れ出す。さらに「相手のパンチが見えていた。疲れさせようと思って」上体の身のこなしだけでパンチを空転させる。いつもにもまして、清水の動きがいい。

東洋太平洋フェザー級タイトルマッチで河村(右)を攻める清水=共同

東洋太平洋フェザー級タイトルマッチで河村(右)を攻める清水=共同

フィニッシュラウンドとなった4回は鮮やかだった。ロープを背にしながらスウェーやショルダーブロックで相手のパンチをことごとく空振りさせると、左ショートのカウンター。ダウンを奪い、追撃の連打で試合を終わらせた。

最近は被弾する試合が多かったが、この日は攻防一体のボクシングが見事だった。「パンチをもらわなかったことが一番、自分に点数をあげたい」と本人も納得の内容だったようだ。

帰省した際、表敬訪問した総社市の片岡聡一市長から「世界チャンピオンになったら、地元でパレードを催す」と激励された。まだプロで7戦とはいえ、アマチュア経験豊富で、もはや若手ではない。市長の言葉に、改めて立ち止まっている時間はないと再確認した。

八重樫と清水。2人を預かる大橋会長もボクシングに懸ける姿勢を評価する。「八重樫はジムに入門してから今が一番練習している。だから膝のバネが落ちていない。きょうは感動した。清水も含めて、本当によく練習する」。2人ともジムの練習以外にフィジカルトレーナーに師事し、体を徹底的に鍛えている。八重樫の発達した上半身がその成果を物語る。

八重樫が日本ボクサー初の4階級制覇を狙うスーパーフライ級、清水のフェザー級とも今は強豪が集っている。人気選手も多く、世界挑戦は簡単ではないが、大橋会長は「チャンスがあればいつでも」と機会をうかがう。

「まだまだ伸びしろはあると思っている。やることがなくなったら終わり。清水の頑張りに僕も引っ張られている」と八重樫は語る。日本の若きエースであり、大橋ジムの後輩に当たる井上尚弥のような勢い、華やかさはない。それでも2人のこの夜の勇姿は、大きな扉をこじ開けそうな予感がした。

(山口大介)

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